中国でパラグライダーをしていた男性が上昇気流によって高度8589mまで舞い上げられてしまった。そこはマイナス35℃の酸素濃度が地上の3分の1ほどしかないとされる世界だったが、男性は1時間後に奇跡の生還を果たした。「しばらくパラグライダーはしない」と語った男性に、当局は罰金と6カ月間の飛行禁止処分を下したという。

上昇気流に巻き込まれたパラグライダー

中国・西北部の甘粛省の上空でパラグライダーをしていた男性。

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すると突然、異変が…。

上昇気流に巻き込まれた。

現地メディアなどによると、男性は一気に高度8589メートルまで上昇。
マイナス35℃に達する極限の寒さで、顔があっと言う間に白く凍ってしまった。

酸素濃度が地上の3分の1ほどしかないとされる世界。
しかし、男性は酸素マスクをつけておらず、危険な状況に追い込まれていたとみられる。

なぜ男性は、高度8589メートルまで上昇したのか?

「周りがすべく白くて恐ろしかった」

高度3000メートルでパラグライダーをしていた男性。

しかし誤って雲の中に吸い込まれてしまい、そのまま上昇気流によって急激に押し上げられ…。

高度8589メートルまで運ばれてしまったという。

それは大型の旅客機が飛行する程の高さ。

真っ白い雲に覆われた男性は、極寒の中で体全身が凍り付いていたという。

すると男性に光が差した。

「やっと雲から出たぞ――!」

ついに雲から脱出。思わず叫び声を上る。

「雲に吸い込まれて、今は高度7000mにいる。ようやく雲から出たぞ!」

その後、男性は無線に頼って下降を試み、1時間後、ついに地上に降り立ち生還を果たした。

手に凍傷を負った男性は、当時の状況について…。

奇跡の生還を果たした男性:
買ったばかりの装備を試したかった。急に風が強くなり、体が空中に持ち上がりました。雲の中に閉じ込められ、周りが全て白くて恐ろしかった。

想像を絶する高度8589メートルの世界。一体、どれぐらいの高さなのか?

日本一の高さを誇る富士山の約2倍で、さらに高さ333メートルの東京タワーでは、約26倍に及ぶ。

このニュースは、中国でも“奇跡の生還”などと報じられている。

CCTVのキャスター:
パラグライダー愛好者の生還が注目されています。顔が露出していて、全身凍っています。

まさに九死に一生を得た今回の出来事。

奇跡の生還を果たした男性:
雲から出ると生きて帰れると…とても安心しました。しばらくパラグライダーはしないでしょう…。

一方、甘粛省航空スポーツ協会は、男性が事前に必要な飛行登録をしていなかったとし、罰金と6カ月間の飛行禁止処分を下したと明らかにしている。
(「イット!」 5月29日放送)