第三者委員会から「漏洩指示の可能性が高い」と指摘されたことを受け、記者団の取材に応じた斎藤知事のコメントは以下の通り。

斎藤知事の受け止めは
斎藤知事の受け止めは
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兵庫県 斎藤元彦知事:この度総務部長という要職にあった県職員が懲戒処分に該当するという状況になりました。県民の皆さまの信頼を損なうものであります。組織の長として誠に申し訳なく思っておりまして深く県民の皆さまにお詫び申し上げたいと思います。

兵庫県 斎藤元彦知事:県の保有情報が漏えいしたことについて保有文書を適正に管理する県の立場において元県民局長と家族そして関係者にご迷惑をかけたこと県民の皆さまに多大なご心配をかけたことをお詫び申し上げる。

その中で私が漏えいについての指示をした可能性があるということも指摘を委員会からされていますけども、私としては改めて漏えいに関する指示はしていないという認識に変わりありません。指示をしたという認識は全くありません、改めてお伝えしたい。

兵庫県 斎藤元彦知事:県民の皆さまの信頼を損なうという状況になりました。組織の長として誠に申し訳なく思っています。改めて皆様にお詫び申し上げたいと思います。

元県民局長・遺族に謝罪も
元県民局長・遺族に謝罪も

■斎藤知事「私自身は漏えいに関する指示は全くしていません」

Q.報告書では指示をしたとされているが?

兵庫県 斎藤元彦知事:その点については私自身は漏えいに関する指示は全くしていません。そういった認識はありません。その認識はかわりない。

Q自らの処分については?

兵庫県 斎藤元彦知事:情報漏えいが起きたことについて組織の長として、責任を感じている。自らの処分を考えていきたい、具体的にはこれから検討になるが給与のカットなども含めて検討していきたい。

兵庫県 斎藤元彦知事:県が保有すべき情報が外に出てしまった組織として防止すべき点組織の長としてしっかり受けとめなければいけない。責任を感じている。その点について今回自らの処分も考えていきたいという思いになりました。

「私自身は漏えいに関する指示は全くしていません」
「私自身は漏えいに関する指示は全くしていません」

■ジャーナリスト浜田敬子さん「重い『第三者委員会』が軽く扱われてしまう」

情報漏えいをしたと認定された、かつての総務部長は停職3カ月の懲戒処分となっている。

第三者委員会は、漏えいについて「知事が指示した可能性が高い」と指摘したものの、知事は関与を否定し、県として、漏えいという問題が起きた責任を取って、斎藤知事は自ら減給も含めて、処分を検討すると話している。

検討すると述べた処分も、あくまで「部下」である元総務部長が起こした問題に対してのものであることについて、元AERA編集長でジャーナリストの浜田敬子さんは「第三者委員会が出した独立性の高い調査結果が、軽く扱われてしまっている」と指摘した。

ジャーナリスト 浜田敬子さん:斎藤知事はこれまで一貫して、『自分が指示したことない』とか(漏えいへの関与の)疑惑については否定してきているので、ここにきて第三者委員会の報告書が公表されたからといって、発言を翻すことはないだろうなと思っていました。

ジャーナリスト 浜田敬子さん:そうするとすべてが崩れてしまう。そうすると知事選に出て、再選した自分の正当性みたいなものを疑われることになるので、それはないだろうと思っていましたが、やっぱりこの処分についても、あくまでも『自分は指示していないけど、部下がやったことに対して上司として責任をとりますよ』というふうに言っているわけですよね。

ジャーナリスト 浜田敬子さん:今回思うのは、第三者委員会の報告書、その調査の重みということです。これはフジテレビ問題なんか見ても、みなさんもご理解されていると思いますけども、非常に重いものなんですよね。

ジャーナリスト 浜田敬子さん:ある時には経営者の交代とか処分にも繋がるような、それぐらい『第三者委員会』、独立性の高い機関の調査というものは重いのに、兵庫県ではなんでこんなに軽く扱われてしまうのかなと。それが非常に感じるところですよね。

斎藤知事はこれまでに兵庫県が設置した告発のあった知事の疑惑を調査する第三者委員会から、告発した元県民局長を処分した県の対応は、「違法性が高い」と指摘されていた。

しかし、斎藤知事は「対応は適切だった」という考えを変えていない。

ジャーナリスト浜田敬子さん
ジャーナリスト浜田敬子さん

■「私的情報を漏えいされた」元県民局長 斎藤知事は初めて謝罪も…

「情報を漏えいされた」元県民局長やその遺族に対しては、斎藤知事は次のように思いを述べている。

兵庫県 斎藤知事:漏えいをしたことについては、お詫びを申し上げたい。相手のあることだから直接がいいのか、どう対応するか検討したい。

関西テレビの神崎博報道デスクは、「知事の処分は知事しか決められない」ということが現在の状況を生じさせていると指摘する。

関西テレビ 神崎報道デスク:遺族への謝罪について、初めてこういうふうに触れたと思うんですけど、そこは1つ進んだことかなと思うんですけども。

関西テレビ 神崎報道デスク:これまでパワハラも第三者委員会で認定されたのに、自らには何の処分も下してないですね。今回のことも、第三者委員会としては、『指示した可能性が高い』とまで認定しているのに、そのことに関しては否定しているわけです。あくまでも監督責任しかないと。

関西テレビ 神崎報道デスク:懲戒規定っていうのは、職員にはあるんですけども、トップの知事は自分で判断するしかないんですよね。ただ自分で認めないので、『あくまでも監督責任しかないですよ』と。今回の『漏えいを指示した』ということは全否定で、そこに対して、何ら悪いところはないので、『処分する必要はない』という考え方なんですよ。

関西テレビ 神崎報道デスク:これは、地方自治体の不祥事に対して、1つ抜け穴といいますか、トップの処分をトップしか決められないということが1つ大きな問題なのかなと思います。

神崎報道デスク
神崎報道デスク

■議会はどう動く?浜田さん「不信任の形で問うのが議会がある意味」 神崎報道デスク「議会の役割を果たすタイミング」

こうなると注目されるのが、議会の出方だ。

ジャーナリスト 浜田敬子さん:本来であれば、議会がこういった報告書が出た後に、どういうふうに対応して、本来で言えば、『不信任』みたいな形で問うのかっていうのが、議会がある意味ですよね。

兵庫県議会にとって「不信任決議案提出」は、ハードルが高いことなのだろうか。

関西テレビ 神崎報道デスク:今回、これだけ重い判断が出たわけで、しかも知事はそのことに対して否定をし続けていると。そうするとやっぱりここは『二元代表制』なので、議会の役割を果たすタイミングだと思うんですよね。

関西テレビ 神崎報道デスク:これ(今回の第三者委員会の報告書)を受けた上で、県民の負託を受けた議会がどう動くのか、知事に対して、どうアクションを起こすのか、これ本当に議会側に委ねられていると思いますね。

県政の混乱が落ち着かない兵庫県。この報告書を受けて、果たしてどのような動きがあるのでしょうか。

(関西テレビ「newsランナー」2025年5月27日放送)

知事に対し議会はどう動く?
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