27日午後、「イット!」が向かったのは東京・新宿区歌舞伎町で若者らを救う活動をしてきた公益社団法人「日本駆け込み寺」の事務所。
入り口を入ると、そこは相談に訪れた若者らが集う広いスペース。
さらに案内されたその奥にあるデスクに座っていたというのが、5月18日、新宿区の路上でコカインを持っていたところを現行犯逮捕された、「日本駆け込み寺」の元事務局長・田中芳秀容疑者(44)です。
一緒にいた駆け込み寺の相談者とみられる20代の女もコカイン使用の疑いで逮捕されました。
女は「オーバードーズをするくらいならコカインや大麻を使ったほうがいいと勧められた」と供述。
田中容疑者は相談者に耳を疑うようなアドバイスをしていたとみられています。
その存在は「駆け込み寺」を利用していた歌舞伎町の“トー横キッズ”の間でも知られていました。
話を聞くと「友達が駆け込み寺で待ってるから、じゃあ行くわって」「事務局長という名前の通りで、よくいるんですけど本当に話さないんです」「いつも裏方にいるもんね」「ガチ裏方の人」「普通に優しい人ではあった。(Q.コカインについての発言)ないです、自分はないです」と話しました。
田中容疑者の逮捕を受け、歌舞伎町の事務所も警視庁による家宅捜索を受けました。
若者たちを守るべき「駆け込み寺」で何があったのか。
「イット!」は共同代表の清水葵さんを直撃。
日本駆け込み寺・清水葵共同代表:
(Q.他の職員はやってない?)はい、もちろんです。でもその疑いが世間から向けられても仕方ないでしょうね。
普段の田中容疑者については…。
日本駆け込み寺・清水葵共同代表:
ポスターの作成とかパンフレット、広報物を作ってくれるような裏方。(Q.若者と接する機会)ないに近い。私は基本、ほぼ田中の様子を見ていましたけど、そんなことは一切なかった。
基本は裏方業務をこなしていた田中容疑者。
若い相談者と接する機会は少なかったといいます。
日本駆け込み寺・清水葵共同代表:
原則として個人的な個人連絡の交換は禁じてるので、まさかという感じ。
田中容疑者の逮捕を受け、新宿区から連携を停止するとの通告を受けるなど、運営も危機に。
日本駆け込み寺・清水葵共同代表:
この一件で助成金すべて、都も区もストップですし、収入面は、ほぼ今ゼロに近いです。
支援企業や寄付をしていた人などからは返還を求めるメールが寄せられ、運営もままならない状態に。
日本駆け込み寺・清水葵共同代表:
うちもあともって1カ月くらいでしょうというのが事実。電話やメールでの誹謗中傷、SNSなんてよりすごいですけど、あとは直接コカイン売ってるのか?って言いにくる男性も来る。
毎週続けていた子ども食堂も停止中。
清水さんは何とか活動が続けられるよう支援を訴えます。
日本駆け込み寺・清水葵共同代表:
このさなかですけど、ご寄付をいただける方がいたら、本当にしていただけたらうれしいなというところです