再発すれば助かる確率が低い小児がんと闘う5歳の女の子が徳島県にいます。再発のリスクを減らす高額な薬を海外から輸入するため、女の子の母親の出身地、香川県でも支援の呼びかけを行っています。

(うたちゃんダンス披露の様子)

東かがわ市の祖父母の家でダンスを披露するのは、徳島県に住む吉崎うたちゃん(5)です。母親と父親に囲まれて満面の笑みを浮かべています。

(吉崎うたちゃん)
Q:お母さんやお父さんとダンスやゲームできてどう
「楽しい」

そんな、うたちゃん、2歳の時に小児がんの一種「神経芽腫」と診断されました。

進行すると、5年の生存率が4割から5割とされるこの病気。病気に負けまいと、小さな体で激しい副作用がある抗がん剤治療や手術などに耐えてきました。

(母親 吉崎志穂さん)
「歩けなくなったり排せつ機能の問題が出たりと最初は立て続けにあり、状況についていくのに必死で、とにかく治ってほしい、早く治したい、痛みから解放させたいと思っていた」

1年7カ月の治療の末、症状が収まり、安定した状態にまで回復できたうたちゃん。しかしこの病気は半数以上が再発し、再発すれば生存率は1割未満とされます。

うたちゃんと家族は、今、再発の不安にさいなまれています。

(吉崎志穂さん)
「考えずに過ごすこともできないし、考えっぱなしで生活することもできない。日によるが、考える時は落ち込むくらい考える」

一方、望みはあります。アメリカでは2023年、再発リスクを52パーセント減らす効果があるとされる新しい薬が承認されました。しかし日本国内では承認されておらず、保険は適用外。為替レートに左右されますが、薬を輸入するには6000万円以上の費用がかかります。

家族は輸入費用を捻出するため、募金や、資金を集めるクラウドファンディングなどで支援を呼びかけています。5月26日は母親、志穂さんの故郷の香川県内の飲食店を訪問し、募金箱の設置などの協力を求めました。

こうした地道な活動で現在、約4500万円が集まり、6000万円まであと少しとなっています

(協力した飲食店 ROKA 三浦美香さん)
「少しずつでもいいので、今の世の中世知辛いので、少しずつ人を思いやって生きていけたらと思うので、うたちゃんにも協力してほしいと思う」

(母親 吉崎志穂さん)
「病気になるのは生まれたところは関係ない。私たちだけでなく(他にも)こういう家族がいることを知ってほしい。徳島だけでなく全国で(理解が)広まってほしい。(香川で)きっかけをもらえたことはありがたい」

クラウドファンディングの締め切りは6月8日。出口の見えないトンネルの中にいるうたちゃんと家族は、光を求めて歩き続けています。

岡山放送
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