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富山県が「寿司といえば、富山」というキャッチフレーズでブランディングに取り組むなか、県内の寿司市場に新たな動きが生まれている。全国展開する寿司チェーン店が続々と富山に進出し、地元の食文化に新風を吹き込んでいるのだ。

富山は名実ともに「寿司の激戦区」に

昨年の家計調査で富山市の外食における寿司の支出額が全国1位となった。全国平均の1万6236円に対し、富山市は2万3185円と大きく上回り、県民の寿司好きぶりを数字で証明した格好だ。

そんな寿司激戦区・富山には、すでに大手回転寿司チェーンが多数出店している。店舗数業界トップのスシローが6店舗、2位のはま寿司が7店舗、3位のくら寿司が4店舗と、大手3社だけでも17店舗が県内で営業中だ。

「かっぱ寿司」が富山初進出、北陸の市場に挑戦

この激戦区に来月、長野発祥の大手チェーン「かっぱ寿司」が初めて進出する。同社の北陸エリアへの出店は昨年11月にオープンした石川県野々市市に続き2店舗目となる。

約500種類というメニュー数と、110円からという手頃な価格設定が特徴の同店。

「寿司を好む傾向が強いエリアで出店することは1つの挑戦と考えている。北陸はとても魅力的な市場と考えていて、富山・北陸を盛り上げるように頑張りたい」とカッパ・クリエイト広報宣伝部の國方祥部長は意気込みを語る。

来月18日のオープン時には、富山県産のホタルイカやシロエビの寿司も提供される予定だという。

「や台ずし」も富山駅近くに出店、新たなスタイルの寿司店

回転寿司だけでなく、新たなスタイルの寿司店も富山に登場している。先月、富山駅近くにオープンした名古屋発祥の寿司居酒屋「や台ずし」は、全国で345店舗を展開するチェーン店だ。

特徴は、カウンターもあり、職人が一貫ずつ握り接客する個人店のようなスタイルでありながら、価格は一貫65円からというリーズナブルさ。名古屋名物の手羽先など居酒屋メニューも豊富で、客単価は約3100円となっている。

店を訪れた客は「特にハマチがおいしかった。他県のメニューも味わえて楽しい」「この値段でこれが食べられると思ったらすごくいい。いろんな店が増えていくと選択肢が増えて楽しめる」と好評の声を上げていた。

なぜ激戦区・富山に進出?チェーン店の戦略

や台やグループ統括本部の伊達富夫副本部長は、富山進出の理由をこう説明する。「2022年に金沢に北陸最初のお店をオープンして非常に好評をいただいている。激戦区の中に出店してもある程度支持をもらえると思い、今回出店した」

さらに、「高級寿司店とも回転寿司とも違うその間をとったお店。地元のお店とお付き合いしながら各エリア毎に仕入れをするのを特色としている」と、同社の差別化戦略を語った。

伊達副本部長は「富山のいいものを全国に広めていく役目も今後やっていける可能性がある」と期待を寄せる。同社は来月20日、富山市総曲輪に県内2号店をオープンさせる予定だ。

寿司処・富山の新たな風景として、これまでになかったスタイルの店が根付くかどうか、今後の展開に注目が集まる。

富山テレビ
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