プレスリリース配信元:株式会社三菱総合研究所
AIとの共創で切り拓く未来社会
株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田健二、以下 MRI)は、変革期を迎える国際社会やAI等のデジタル技術の進展を踏まえ、2040年を見据えた「豊かで持続可能な日本社会」の実現に向けた処方箋を提示します。
1. 背景
2019年に「未来社会構想2050」をMRIが公表して以降、世界情勢は大きく変化しました。具体的にはCOVID-19の世界的流行、ロシアによるウクライナ侵攻、脱炭素化への取り組みの加速、生成AIの登場、さらには先進国で進む保護主義化・自国第一主義化など、国際社会は不確実性を増しています。
その一方で、日本は依然として人口減少や高齢化、地域社会の活力低下、国際競争力の後退、財政赤字といった構造的課題を抱えています。
本提言では、2040年という近未来を目途に、世界の潮流を見極め、日本が抱える課題に応えるための方策として、進展著しいAIはじめデジタル技術を戦略的に活用した具体的な処方箋を提示します。
2. 本提言の概要と構成
世界の潮流と日本の現状と課題を踏まえ、3つの処方箋を提示します。処方箋では、すべての人材がAIを相棒に活躍の場を広げる、日本が有する強みとデジタルを掛け合わせることで産業競争力を高める、さらに医療・介護や社会インフラなど公共分野の生産性を大きく向上することを目指します。同時に、こうした変革に伴う負の影響を抑えつつ、次世代に持続可能な社会を引き継ぐための制度や仕組みの見直しが不可欠です。本提言の全体構成は以下のとおりです。
(1)世界の潮流
2040年を見据えた世界の潮流を3つ抽出しました。
1.国際情勢の不安定:国際秩序が揺らぐなか、保護主義・自国第一主義的な政策が広がる
2.脱炭素・循環型社会への移行:脱炭素化と経済性、エネルギー・資源安定供給の両立が課題に
3.デジタル社会の進展とAIの浸透:AI進展により生産性が飛躍的に高まる一方で、リスクも顕在化
これらの潮流は各国の経済に大きな影響を及ぼします。MRIの推計では、2040年の世界のGDP構成は、米国と中国が拮抗し、グローバルサウス諸国のシェアが拡大します。一方で日本の相対的地位は低下を続け、世界5位に後退するとみられます。
(2)日本の現状と課題
上記の潮流は、日本にとって脅威であると同時に機会にもなりえます。日本の未来に向けて、脅威を抑えつつ、これを機会に変える取り組みが重要になります。同時に日本は、次のような構造的な課題を抱えています。これらの課題を直視し、解決に向けて取り組むことが不可欠です。
・少子高齢化の進展による労働力不足の深刻化
・国際競争力低下による日本のプレゼンス後退
・地域社会における急速な人口減少、インフラの老朽化、公的サービスの劣化
・相対的貧困率の上昇による社会の分断進展
・財政の持続可能性低下による将来不安の増大、将来への投資減少
(3)豊かで持続可能な社会の実現に向けて
世界の潮流と日本の現状と課題を踏まえ、AIはじめデジタル技術を戦略的に活用した3つの処方箋を提示しました。
1.AIを相棒に一人一人の力を高める:
生産性の向上と労働環境の改善を実現し、労働力不足を克服
2.デジタル自給率を高めて産業競争力を強化:
日本の強みある分野へ投資を集中するとともに、特定分野において国産のデジタル産業を育成
3.DXによる公共サービスの抜本的な効率化:
公共分野の生産性を高め、社会全体の持続可能性を高める
また、処方箋をもとに方策を実践していく際には、社会システムの弱体化を招かないよう配慮が必要です。次世代に持続可能な社会を引き継ぐために、地域社会と財政に関する施策をとりまとめました。
日本がこれまで培ってきた無形の資産である「信頼」、公平な外交姿勢、安全な社会、日本人の勤勉さ、日本製品の品質といった特長は、国際社会における日本の大きな優位点といえます。この信頼が保たれている間に、今こそデジタルを梃子に改革を実行すべきです。本提言がその起点となることを強く期待します。
三菱総合研究所作成
3. 今後に向けて
将来も引き続き、国際情勢の変化や気候変動、デジタル技術の進化など、世界の不確実性が一層高まり、日本にさまざまな脅威と機会をもたらすでしょう。
MRIは総合シンクタンクとして、経済・技術・政策などの知見を統合し、未来社会に関する俯瞰的・総合的な提言を定期的に発信しています。MRIの提言が読者の皆さまにとって日本と世界の現状を理解し今後の行動指針を得る一助となれば幸いです。
レポート全文
新・未来社会構想 AIとの競争で切り拓く未来社会
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