長野県中野市で4人が殺害された事件から5月25日で2年。亡くなった警察官2人が勤務していた警察署では23日、追悼式が行われました。大切な人を失った悲しみは変わっていません。
「黙とう」
午後4時26分事件の発生時刻に合わせて、中野警察署で黙とうが捧げられました。
中野市で4人が殺害された事件からまもなく2年。
2023年5月25日午後4時半ごろに発生した事件。日課のウォーキングをしていた70歳（当時）の女性と66歳（当時）の女性が男に刃物で襲われ死亡しました。
さらに、通報を受けて駆け付けた池内卓夫さん（当時61）と玉井良樹さん（当時46）も同じ男に猟銃やナイフで襲われ、死亡しました。
男は猟銃を持ったまま近くの自宅に立てこもっていましたが、事件発生から12時間後の翌朝4時半すぎ、自宅から出てきたところを警察に身柄確保されました。
4人の殺人の疑いなどで逮捕されたのは青木政憲被告（33）。責任能力を調べる鑑定留置を経て、殺人の罪などで起訴されています。
「『ぼっち』とばかにされていると思っていた」。
事件の後、このように供述していた青木被告。被害者の女性2人とは面識が無く、一方的な思い込みだったとみられています。
また、警察官2人については「射殺されると思い、先に撃った」などと話していたということです。
事件からまもなく2年。中野警察署では、集まった署員が黙とうを捧げ、治安維持への決意を新たにしていました。
中野警察署・橋本和也署長：
「亡くなられた方の無念、遺族の悲しい気持ちをしっかり受け止め、地域の安全・安心を目指して治安維持に最善を尽くしていきましょう」
一方で、大切な人を失った悲しみは、変わりません。
亡くなった女性（当時70）の友人・布施綾子さん：
「誰も殺される理由ないからね。ものすごく残念、あんなに楽しんでたのにね」
小布施町で陶芸工房を開く布施綾子さん（72）。亡くなった女性に月に1度ほど焼き物を教えていました。
被告への思いは。
亡くなった女性（当時70）の友人・布施綾子さん：
「よく考えてほしい、自分のしちゃったことを。一生苦しむしかないんじゃないですか、人の心があるならば」
亡くなった女性（当時66）が通っていた美容室の店主・鈴木政行さん（66）。事件前の3月、バラの造花をプレゼントしたと言います。
亡くなった女性（当時66）の知人・鈴木政行さん：
「カラーははっきり覚えてないですけど、おそらくこのピンクを選んでもらった気がします。2年たって、私と同い年になった。ポツンと、何かあったときに思い返します。『いなくなっちゃったんだ』と」
被告への思いはー
亡くなった女性（当時66）の知人・鈴木政行さん：
「なんでこういうことを起こしたのか聞く前に、なんで『ぼっち』みたいになったのか聞きたい。『ぼっち』になった原因を探れば、今後に生かせるんじゃないか、そういう人間をつくらないために」
