40年以上、長野県飯山市の「菜の花まつり」で、地元小学校の鼓笛隊が演奏を披露してきました。2024年度で学校が閉校となり存続が危ぶまれましたが、2025年も元気いっぱいの演奏で、「まつり」を盛り上げ伝統をつないでいます。
約13ヘクタールの敷地一面に広がる満開の菜の花。まるで黄色いじゅうたんのようです。5月3日から5日まで飯山市で大型連休恒例の「菜の花まつり」が開かれました。
新潟から(娘):
「黄色い花びらがきれいだった」
母親:
「(菜の花に)囲まれていて、きれいですね。すごく楽しそうで喜んでいます」
東御市から:
「花もきれいですし、屋台もいっぱいあって、とても楽しんでいます」
「菜の花まつり」のオープニングを飾ったのが、地元小学生の「鼓笛隊」です。
毎年の恒例ですが、児童たちは2025年、特別な思いで演奏していました。鼓笛隊がなくなってしまう可能性もあったからです。
元東小・5年:
「また復帰してできてうれしかった」
元東小・5年:
「またできると思ってすごくうれしかったです」
2024年まで演奏を披露してきたのが公園近くの東小学校の児童たち。開校した1980年から続く伝統の鼓笛隊です。
しかし、児童数の減少などで東小は2024年度末で閉校に。児童たちは他の市内3つの小学校と統合して開校した「城北小学校」に通うことになりました。
2024年の菜の花まつりが「東小学校鼓笛隊」の最後の演奏になりました。
鼓笛隊の児童:
「東小としては最後ですが、いい思い出になりました。これまで東小の鼓笛隊を応援してくださった地域の皆さん、今までありがとうございました」
閉校1カ月前。
東小学校で練習を続ける児童の姿がありました。閉校で「鼓笛隊」の存続が危ぶまれましたが、「城北小学校」でも課外クラブとして続き、2025年の菜の花まつりに出ることが決まったのです。
児童:
「(続けることが決まりどうですか?)すごくうれしかったです。みんなに教えるのが楽しみです」
「みんなを引っ張っていい鼓笛隊になるよう頑張りたい」
2025年の菜の花まつりに向け新たな小学校でも練習を続けました。
そして迎えた5月3日の本番当日。朝、児童たちが旧東小学校に集まりました。最後の全体練習です。
「鼓笛隊」は現在35人。元東小がメインですが、他の小学校出身の児童も13人参加しています。
元泉台小・6年:
「(鼓笛隊を)毎年テレビとかで見ていて、入りたいなと思っていたので、うれしかったです」
元常盤小・6年:
「(元東小の児童に)結構、教えてもらいました。みんな優しくて良かったです」
先生:
「鼓笛隊パレード、がんばるぞー!おー!」
午前10時「新生鼓笛隊」出発!
城北小学校の校歌を演奏しながら菜の花畑から公園のステージへとパレードしました。
ステージでは代々受け継がれてきた「錨を上げて」など3曲を披露しました。
♪「錨を上げて」
♪「世界に一つだけの花」
青空のもと黄色い菜の花が輝き春の風に揺れています。
一帯に響く「鼓笛隊」の元気な演奏に、訪れた人から惜しみない拍手が贈られました。
保護者:
「本当に涙出そうでしたね。子どもたち輝いていてよかったと思います」
保護者:
「世代世代で引き継いでいるので、来年以降は自分の子はいないですけど、次の世代の子たちにやってもらえればなと思っています」
児童たちは―
城北小・6年:
「城北小学校の鼓笛隊として初めてなので、皆さんに新しい校歌を聴いてもらえてうれしかったです。新しい人とも鼓笛隊ができて良かったです」
城北小・5年:
「新しい子も完璧にできていたから、良いなと思いました」
城北小・5年:
「(Q.どんなところがうまくいきましたか?)全部、全部。来年もこうやって晴れた日にやれたらいいなって思っています」
2025年も菜の花まつりを盛り上げた「鼓笛隊」。
代々つないできたバトンは新たな形で受け継がれています。