「梅雨」と聞くと雨や曇り空を連想してどんよりとした気持ちになりがちですが、鹿児島には梅雨の時期だからこそ、の味覚があります。
そんな「梅雨の味覚」を日置市の物産館で探してきました。
開店前の鹿児島県日置市・江口蓬莱館です。
入り口は二つありますが、その片方だけに行列ができていました。
実はこれ、ある商品を買い求める人専用の行列なんです。
Q.何を買うために並んでいる?
来店客
「ウメを買いに来ました。ウメで酢梅を作ります」
「ウメを(買いに)。(22日は)12時半ごろに来たけれど『もうない』と『朝早く来ないと』と(言われた)」
その行列のそばを抜けて店内に持ち込まれていく、ウメ。
ゴールデンウィーク明けから6月中旬までが収穫期で、生産した日置市の農家が直接棚に並べていきます。
値段は持ち込んだ農家がそれぞれ設定していて、1キロ360円から660円ほど。
スーパーなどでの店頭価格の約半分です。
Q.どれぐらいの値段を付けるか結構考える?
ウメを出荷した農家
「結構!結構ですよね。みんながこんな値段だったら人並みの値段を付けないと、私だけパッと(高く)付けても難しいですよね(笑)」
開店時刻になると、行列は一斉に店の中へ。
購入は1家族10袋までで、来店客はウメがたっぷり詰まった袋を制限いっぱいまで買い求めていました。
購入客
「(ウメで作った)酢はドレッシングにします。最高ですね。うちはそれだけです、ドレッシングは」
23日のウメは30分ほどで完売し、中には買いそびれた人も・・・。
来店客
「10袋ぐらい買いに来たけれど、外でしゃべっていて開店(時間)を忘れた。違う種類のウメが26日以降に出るそうなのでその時に買います」
海に面した江口蓬莱館、もちろん魚介類の品ぞろえも豊富です。
鮮魚スタッフが勧めるこの時期ならではの海の幸は、イサキです。
産卵前で腹に卵を抱えているこの時期のイサキは「梅雨イサキ」とも呼ばれ、脂の乗りの良さが特徴です。
江口蓬莱館 鮮魚主任・園頭宗明さん
「おいしい旬の魚をお勧めしたいので、イサキは万能の魚で煮ても焼いても刺身でも何でも使える魚なのでおすすめしている」
大雨も心配な梅雨。
でも、この時期だからこそ楽しめる山と海の旬の味覚は、来店客の購買意欲をくすぐっているようです。