日本で買い物をする外国人観光客にはうれしい消費税の免除ですが、廃止する案が浮上しているということです。
なぜ廃止しようとしているのでしょうか。

連日、多くのインバウンド客でにぎわう日本。
23日、東京・浅草にある量販店でも、レジに並んでいるお客さんほとんど外国人でした。

4月に日本を訪れた外国人旅行者数は、ひと月の人数として初めて390万人を超え過去最多を更新。

こうした中、自民党は22日、訪日外国人の消費税免税措置見直しを考える勉強会を開催。

その冒頭、自民党・麻生太郎最高顧問は「(訪日外国人は)消費税の免除ということになってるんですけれども、(その金額は)捕捉されているだけで2000億円を超えている。(免税)やめれば2000億円入ってくるわけですから、検討するに値するんじゃないかと」とあいさつしました。

2024年に8兆円を超えた、訪日外国人による国内消費。
そのうち免税店での買い物で免除された消費税が2000億円を超えると推計されています。

これを受け浮上したのが、消費税の免税措置撤廃です。
こうした動きについて23日、日本で買い物を楽しんでいた外国人旅行者に話を聞きました。

ポーランドから来た人:
免税がなくなったらみんなの買い物量も減ると思います。バットアイディア!

フィリピンかから来た人:
(免税なくなると)値段が高すぎると思うよ。そもそもドン・キホーテで買うのは安いから。(税込みなら買う量は)半分ぐらいになると思う。

オーストラリアから来た人:
それでも買い物はすると思います。(オーストラリアに比べ)高くないです。ルイ・ヴィトンのバッグだったら話が変わるけどね。

自民党の勉強会では、海外の高級ブランド品に対する免税を取りやめるという考えも浮上しています。

背景の1つにあるのが、日本の免税店で割安で購入した海外の高級ブランド品を転売し、利益を上げるという免税制度を悪用した行為。
調査によると、これまでに免税店で1億円以上の買い物をした外国人旅行者が690人いる中で、そのうち約9割が免税を受ける条件を満たしておらず、税の滞納状態だということです。

一方で、日本の名産品に限って免税するなどの案も浮上しています。

23日、銀座にある海外の高級ブランド品を扱う「ブランドオフ 銀座本店」を訪れていた外国人旅行者は…。

オーストラリアから来た人:
免税がなくてもあんまり気にしない。日本のほかのものも魅力的だと思います。

フランス・パリから来た人:
ここのビンテージのものがいいので、免税がなくなることは残念です。日本には来ますが買い物はしなくなるかも。

中国から来た人:
もし免税ができなくなったら他の国に行くかもしれない。買い物は日本に来る重要な理由だから。

中古品を扱うこの店舗では一点物を求める外国人旅行客が多いといいますが…。

ブランドオフ銀座本店・駒田武店長:
(Q.免税なくなったら売上落ちる?)まったくなくなることはないけど、減る可能性はある。100万円以下のものは変わらず売れていきます。(Q.100万円超えると?)少し慎重になるのかな。

外国人旅行客に対する消費税の免税撤廃。
野党側からも賛同の声が出ていて、実現に向けた動きが注目されます。

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