親になっても音楽を諦めない。
そんな強い思いから誕生した母親だけのオーケストラ。
演奏家としての夢と子育ての両立を目指す、彼女たちのリハーサルにお邪魔しました。
ホール全体に響き渡るソプラノの歌声。
音楽大学でクラシック音楽の専門教育を受けた母親たちが立ち上げた「オーケストラ・マミューズ」です。
結成には、育児と演奏活動を両立したいという思いがありました。
楽団の創立メンバー・前代表 ファゴット奏者 水本芳枝さん:
“子供を預けられないので(仕事を)受けられない”みたいなことが何回か続くと、次の仕事が来なくなることがあって、子育てしながら演奏活動を無理なくできるよう立ち上げた。
高校時代にブラスバンドでフルートを吹いていた生野キャスターが、このオーケストラの練習を取材。
ホールには子供連れのメンバーの姿も。
赤ちゃんをおんぶしながら演奏するメンバーもいます。
フルート奏者・安藝美雪さん:
抱っこしながら歌ってくれたり、みんなで協力してやってくれるので助かっている。
フルート奏者の勝田真優さんは、育児と仕事の両立で悩む中、マミューズと出会いました。
フルート奏者・勝田真優さん:
お母さんであっても、やりたいことを諦めなくてもいいなって。
演奏活動を続けたいという熱い思いに、真優さんの夫・佐藤慎也さんは「プロとして演奏活動を続ける姿に僕自身も本当に頑張ろうと、いい刺激をもらっていますし、一番の応援団としてサポートしたいと思うので、これからも頑張ってください」と話しました。
そんなマミューズが大切にしているのは、親子で気軽に鑑賞できるコンサートです。
声楽・司会 長谷川彩乃さん:
子育てを奮闘しているパパ・ママたちに穏やかなひとときを、音楽を通して提供できることが、とてもありがたい。
子供とコンサートを鑑賞した母親は、「生演奏を聴く機会が子供ができるとやっぱりなくて、やっぱり生演奏はいいですよね」と話しました。
コロナ禍にはリモートの演奏会を動画サイトに投稿するなど、活動のともしびを絶やさず、2024年に10周年を迎えました。
オーケストラ・マミューズ代表 チェロ奏者 九十九華子さん:
(Q.今後の抱負は?)これだけのメンバーが集まっているということは、すごい財産だと思うので、さらに大きくできればいいかなと。
育児と仕事の両立を目指す若い演奏家の受け皿として、これからも支援していきたいということです。