東京の両国国技館で開かれている大相撲夏場所13日目で、石川県津幡町出身の大関・大の里は同じく大関の琴櫻を破り二場所連続の優勝を決めました。これで大の里の横綱昇進がほぼ確実となった。横綱昇進が決まれば、石川県勢の横綱昇進は、1973年の輪島以来52年ぶりとなる。

地元を離れ相撲留学…2年連続アマ横綱として角界入り

この記事の画像(7枚)

大の里は石川県津幡町出身の24歳。地元の少年相撲で活躍した後、中学校から相撲の強豪校がある新潟県へ相撲留学。糸魚川市の能生中学校、県立海洋高校に進学し、日本体育大学に進みました。大学時代は、3、4年生の時に2年連続のアマチュア横綱となり、鳴り物入りで角界入りした。

元横綱・稀勢の里関が率いる二所の関部屋に入門

大相撲では元横綱、稀勢の里の二所の関親方が率いる二所の関部屋に入門。2023年夏場所で幕下10枚目格付け出しでデビューした。二場所で幕下を通過し十両昇進。十両で優勝は出来なかったものの、初土俵から所要4場所で幕内昇進を果たした。これは昭和以降3位タイのスピードで新入幕を果たしたことになる。

能登半島地震や奥能登豪雨で被災した石川を励ます大活躍

地元で能登半島地震が発生した直後に行われた、2024年初場所では、新入幕ながら11勝4敗の成績を上げて敢闘賞を受賞。2月には同郷の遠藤関らとともに避難所を回り被災者を励ました。

 春場所は11勝4敗で敢闘賞と技能賞を受賞。夏場所で小結に昇進すると、その勢いで初優勝を果たす。 秋場所では初日から11連勝とする中、奥能登で豪雨が発生。石川県民を励ますかのようにその場所でも大の里は13勝2敗をあげ、2度目の優勝を果たし、大関昇進を決めた。所要9場所での大関昇進は昭和以降で最速。まだ大銀杏も結えない“ちょんまげ”姿の大関昇進は史上初だ。伝達式で述べた「唯一無二」の力士を目指すとの口上は父親にかけられた声から取ったそうだ。石川県出身の大関は、昭和以降、輪島・出島に次ぐ3人目となる。

『綱取り場所』を堂々の優勝で昇進確実に

大関昇進場所となった九州場所では9勝6敗に終わったが、2025年初場所では10勝5敗とし、先場所は12勝3敗で、高安との優勝決定戦を制し大関昇進後初優勝。今場所は綱取り場所として挑んでいた。

横綱審議委員会が発足以降、2場所連続優勝で昇進を見送られた大関はおらず、大の里が横綱に昇進するのは確実とみられる。初土俵から所要13場所での横綱昇進は史上最速だ。

(石川テレビ)

石川テレビ
石川テレビ

石川の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。