サバの漁獲量が大幅に減少し、身が薄く値段も高騰しているという。専門店は仕入れが500円から800円に跳ね上がり、人気の「サヴァ缶」工場も一部休業に追い込まれた。銚子漁港では、漁獲が10分の1以下となり、加工会社はノルウェーなど海外産のサバの使用へ切り替えている。

サバの漁獲量が激減…仕入れ価格が高騰

東京・港区の「サバ料理専門店 SABAR」で、客がサバ料理の数々に舌鼓を打っていた。近年では、肝心のサバの漁獲量が減少し、サバショックに見舞われている。

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客:
久しぶりにサバを。

取材班:
最近はなかなか食べられない?

客:
食べられないですね、高くて。サバも不漁だと聞いたから。

店側も、サバの異変で悲鳴を上げている。

さば料理専門店SABAR・篠原潤一さん:
身が薄くなったり、昔取れていたより少なくなっている。(仕入れ値が以前の)500円から800円くらいに上がった。

仕入れ先の一つだった東北では、「サバショック」が深刻となっている。

これまで多いときは、1回に100t以上水揚げされる時もあったというが、21日に水揚げされたのは約4tだった。

大船渡魚市場・佐藤光男事務取締役:
2024年、2023年あたりからそういう傾向にある。魚も小さくなっている。

サバ激減は、東日本大震災をきっかけに生まれ、累計1200万個を売り上げる大ヒット商品、サバの洋風缶詰「サヴァ缶」にも影を落としている。

販売会社は、原料となる高品質なサバの確保が難しくなったとして、県内5カ所の工場のうち釜石工場の操業を5月末から一時休業することを決めた。

サバの価格高騰に…ふるさと納税の寄付額が伸長

一方、2023年まで12年連続で年間水揚げ量1位だった千葉・銚子市の銚子漁港のそばにある加工会社の保管庫いっぱいにあったのは、英語の書かれたサバの段ボールだ。

(株)カネジョウ大崎・大崎大専務:
ノルウェーとかイギリスのサバが、私達の加工の大多数になっている。

銚子で獲れたサバは2021年には10万tほどあったが、2024年は10分の1以下の7500tに激減した。その為この会社では、使用するサバをノルウェーやイギリスといった大西洋産に変更した。

脂が乗った時期に冷凍し、年中安定しておいしく提供できる冷凍サバがふるさと納税で人気だという。

切り身のサバをマイナス40度のレーンに流すと、出てきたサバはあっという間にカチンコチンだ。

取材班:
マイナス40度で凍らされています。触ってみても先ほどのような柔らかさは全くないです。

カネジョウ大﨑では、ふるさと納税の寄付額が前の年に比べ4倍に伸びたという。

(株)カネジョウ大﨑・大﨑大専務:
サバに限らず色々値上がりしている。皆様の家計対策として、ふるさと納税で少しでも安くという形でサバが伸びている。

冷凍サバが、サバショックの救世主となるか。注目が集まっている。
(「イット!」5月22日放送より)

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