高知県香南市の法律事務所の男性弁護士が依頼人から預かった金を不正に流用していたことが分かりました。弁護士が私的に流用していた金は数百万円に上ります。しかし、高知弁護士会は男性弁護士を懲戒処分にはせずこの不正は公表されませんでした。

依頼人の金を不正に流用したのは香南市で法律事務所を開いていた男性弁護士。2024年、高知弁護士会に「国選弁護の男性弁護士に預けた金が戻ってこない」などと依頼人から苦情がありました。弁護士会が男性弁護士に確認すると複数の担当事件において示談金や保釈金被害弁償金として依頼人から預かっていた金の一部を私的に流用したことを認めました。

男性弁護士による依頼人の金の不正流用は5年間で数百万円に上るということです。男性弁護士の家族が依頼人に被害弁償し警察への被害届は出されていません。

この問題を受け高知弁護士会は2024年12月、弁護士10人で構成される常議員会を開き多数決の結果「懲戒請求しない」と決定しました。この結果、男性弁護士は懲戒処分とならずこの不正が公表されることはありませんでした。

高知弁護士会は「事案が発覚して以降弁護士会として適切に指導・監督を行ってきた」とコメントしています。

高知弁護士会における男性弁護士の弁護士登録は取り消され香南市の法律事務所も撤退しています。

依頼人の金を不正に流用した男性は高知での弁護士登録は取り消されましたが、弁護士資格がある限り他の地域の弁護士会に登録し日本弁護士連合会が承認すれば弁護士活動は続けられます。

今回の不正は男性弁護士が懲戒処分とならなかったことで公表されることはありませんでした。

《市民への街頭インビュー》

(60代・会社員)
「これは公表すべき。普通の会社だと懲戒処分を受ける。ちょっとおかしい。第三者の機関が判断しないとだめ」

(20代・会社員)
「この1人の弁護士の不正によってこれから弁護人をつける方が不安になる」

(会社員・40代)
「今、世の中的にどんなことでもオープンでやっていく時代。逆にクローズされてしまうと不信感も高まる」

(20代学生)
「弁護士資格がある限り仕事は続けられる状態なので、お金を戻したら弁護士活動ができるというのも甘いと思う。こういう人がいたという事実は私たちにも知る権利がある」

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高知さんさんテレビ
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