札幌市の新築分譲マンションの高騰が止まらない。
2024年の平均価格は過去最高となった。
割高な中心部を避け、周辺部の物件が注目を浴びている。
キーワードは「JR沿線」。
札幌の新築分譲マンション 高騰止まらず
「JR発寒中央駅から徒歩4分と抜群のアクセスに立地するマンション。1階の共用部には、まるでホテルのようなラウンジが広がっています」(八木隆太郎フィールドキャスター)
モデルルームが公開された、札幌市西区のJR発寒中央駅すぐそばに建設中のマンション「ブランシエラ札幌発寒」。
「75平方メートル、3LDKの物件です。各部屋にはそれぞれ収納や、ウォークインクローゼットを備えています。リビングも開放的で広々としています。若い夫婦はもちろん、家族世帯など幅広い世代に使い勝手が良さそうなつくりになっています」(八木フィールドキャスター)
地上14階建てで、2026年2月に完成予定。

注目のワケは?
いま、注目の物件の一つ。そのワケは。
「都市的な利便性と郊外的な自然がほどよく調和しているエリアが、最近の供給の特徴になってきている」(インフォメーション・システム キャビン 志田真郷さん)
「不動産経済研究所」によると、2024年の札幌市内の新築分譲マンションの平均価格は5145万円。
前の年と比べ3.3パーセント上昇し、過去最高となった。背景にあるのは。

『ラピダス』の建設がマンション市場にも影響
「半導体メーカー『ラピダス』の建設に労働者や建築機材が集中し、他のいろいろな工事の優先度が後順位にされて建設費が高止まりしているという状態」(志田さん)
全国的な資材や燃料などの高騰に加え、北海道の場合「ラピダス」の建設がそれに拍車をかけているという。
その傾向が特に目立つのが北海道新幹線延伸を見据えて、JR札幌駅を中心に再開発が進む札幌中心部。
そこで、割高な中心部からシフトする動きが出ているという。
「都心部を少し離れ郊外のエリアで、価格が抑えられる所で供給するのが今の分譲マンション市場の方向性。『JR沿線』が新たな注目ポイントに」(志田さん)

自社の土地以外で初めてのケース その狙いは?
中心部に比べ1~2割ほど安いという周辺部の新築マンション。
中でも「ラピダス」通勤圏のJR沿線が注目を浴びているという。
モデルルームが公開されたJR発寒中央駅近くの分譲マンション「ブランシエラ札幌発寒」は、JR北海道が自社の土地以外で初めて手がけるケースだ。その狙いは。
「沿線の価値向上を図り、本業の鉄道事業に貢献すべく住宅事業に力を入れている。Kitaca定期券の20パーセント相当額を電子マネーでバックするサービスを、この物件購入者に適用する」(JR北海道開発事業本部 長原一成さん)
価格は3000万円台後半からで、販売は6月下旬からを予定している。
中心部から離れた周辺部、そしてJR沿線が札幌の新たな分譲マンションのトレンドとなるかもしれない。
