免許の更新を忘れて運転してしまった…故意がない“うっかり失効”でも無免許運転は道路交通法違反となり、許されない行為だ。しかし、失効に気付いていながら更新を怠り4カ月にわたって車を運転…それが“現職の警察官”という事態が福井県警で起きた。
「警察官にあるまじき行為」依願退職
無免許運転が発覚したのは、福井県警の30代の男性巡査部長。県警は5月16日、巡査部長を減給100分の10、6カ月の懲戒処分にするとともに、書類送検した。本人は失効している事を把握しながらも更新手続きを怠り、捜査車両などを運転。「警察官にあるまじき行為だった」として同日付で依願退職した。

免許失効に気付きながら運転
県警によると、巡査部長は2024年8月初旬に運転免許が失効し同年12月25日に再取得したが、この間、捜査車両や私用車を運転していた。
2025年2月、県民から「現職の警察官が昨年夏頃に免許が失効し、その後、失効手続きをしたと聞いた。事実ならば失効期間中に運転したのではないか」との通報を受けて県警が捜査を開始。その後の調べで、捜査用車両を8回、私用車を2回運転したことが判明した。

上司の端末にも更新期限の知らせが
男性巡査部長は「仕事やプライベートを優先し更新を後回しにしていた。警察官としてあるまじきことをしてしまった」と話していたという。
県警では、職員の運転免許の更新期限が近付くと、本人と上司の端末に知らせが届く仕組みになっているが、今回、上司らは「表示は確認したと思うが、多忙で忘れていた」という。県警は男性巡査部長の上司にあたる警部2人を口頭での厳重注意、警部補1人を所属長注意とした。
県警は幹部の意識改革や指導徹底のほか、監察課が職員の運転免許の更新状況を随時確認するなどして再発防止に努めるとしている。
