主食のコメの値上がりが一向に止まらない。5月に入って政府が発表した全国のスーパーでのコメの販売価格は、5キロあたりの平均が4233円となっている。17週連続の値上がりで、2024年の同じ時期の倍以上となっているのだ。

10キロ6400円の「格安のコメ」
福岡市博多区にある輸入食品店。中国や韓国、タイやベトナムなどアジア各国を中心に食品や調味料などを販売している。福岡に住む外国人客も多いこの店で最近、販売し始めたのは「格安のコメ」だ。

格安米の価格は10キロで税込み6400円。5キロあたりに換算すると3200円となる。この店では、売れ筋商品としてタイ米が5キロ4500円で販売されているが、そのタイ米と比べてもかなり安い値段設定だ。

コメの包装袋に産地や品種などの記載はない。訪れた客も「コメは、スーパーで5キロを5000円台で飼っている。この店のこのコメは安いと思います。6400円10キロでしょ」と安いと感じている。

店の担当者によると物価高に苦しむ外国人客の負担軽減につながればとコメの流通ルートを模索。その過程で行きついた県内の日本人業者と取り引きし「格安のコメ」150袋を仕入れたという。担当者は「最近、日本のコメが高くなっている。店の利益は、ほとんどなしで販売している」と話す。

しかし格安のコメにも価格高騰の波は、容赦なく押し寄せている。「在庫がある分だけは6400円で売りますが、次に入荷するのは300円か400円高くなるのが決まっている」と担当者もお手上げの状態のようだ。
主食のコメをどう安定供給させる?
3月から始まった政府の備蓄米の放出のあとも続くコメの価格高騰。江藤拓農林水産相は「備蓄米は国民の財産。それを放出すると決断をしたにも関わらず、いまの段階では当初の期待された結果が出ていないことについては申し訳ない。しっかり流通ができていないということは、改善すべき余地が多分にある」と述べた。

石破茂首相は自民党の小野寺五典政調会長と会談し、コメの価格高騰を踏まえ、党としての対策を取りまとめるように指示した。

備蓄米放出の効果が薄く、対応が後手後手になっているとの批判もあるなか、主食であるコメをどう安定供給させるのか。より実効性のある対策が求められている。
(テレビ西日本)