時間と場所を選ばずにスマホやパソコンからできるので、手が出しやすく、賭け額も増えやすいそう。何よりも違法だ。

「現代のギャンブルは“若者の依存症者”が増えやすいと感じています。手を出して半年で依存症になり、借金が約1000万円にまで膨れ上がったというケースもあります」(田中さん)
依存や借金が原因で、人生に希望を持てなくなってしまい、自殺を選ぶ人もいるという。
誰でもなり得る病気
では、ギャンブルへの依存のしやすさには、どんな要因が関係するのだろうか。
「遺伝に関しては明確な研究結果は出ていません。一方、確実な要因であると言えるのが、幼少期からの家庭環境です。親がギャンブルにのめり込み、ギャンブルが身近にあった子供は依存傾向が強いという結果が出ています」(常岡さん)

ただ、子供の頃にギャンブルと無縁だった人がならないという保証はない。ギャンブル依存症は小さな心境の変化で「誰でもなり得てしまう」と常岡さんは言う。
「例えば、引退後のスポーツ選手はギャンブル依存症との親和性が高いと言われます。勝負に勝つことで快楽物質を放出した人ほど、刺激がなくなると生きにくさを感じるためです」(常岡さん)
心境の変化はスポーツ選手に限ったことではない。ふとした時に生きにくさを感じ、ギャンブルに手を出す可能性は誰でもあるという。
自分はギャンブルとは関わらないだろう、やめられなくなるはずがない。こうした考えは改めたほうがいいかもしれない。
取材・文=内山直弥