フジテレビが、信頼回復に向けて総務省に報告した人権・コンプライアンスに関する8つの具体策について、村上総務相は9日の閣議後の会見で、信頼回復に向けて一歩を踏み出したと前向きに評価する一方、随時強化策を見直すという息の長い取り組み以外に信頼回復の道はないとする認識を示し、追加の行政指導を行ったと発表しました。
フジ・メディア・ホールディングスの金光社長とフジテレビの清水社長は4月30日、総務省を訪れ、「フジテレビの再生・改革に向けた8つの具体的強化策」を説明しました。
この中には、「人権への影響評価体制の構築、コンプライアンスの確保・体制の強化、編成・バラエティー部門の解体再編、役員定年制の導入、在任期間の制限」などが盛り込まれています。
9日の閣議後会見で、村上総務相は「報告された強化策については、信頼回復に向けて第一歩を踏み出したものと考えております」と述べました。
そのうえで、「一方で、今般の事案は、フジテレビの企業体質が問われているもので、信頼回復は一朝一夕にはできないと考えております」と指摘し、「随時、強化策を見直すという息の長い取り組みをする以外に信頼回復の道はない」との認識を示しました。
また村上大臣は、具体化した強化策について、以下の3点を総務省から要請したことを明らかにしました。
(1)「国民・視聴者・スポンサー等の反応や評価を収集分析し、それも踏まえて信頼回復に必要な対応を行うこと」
(2)「特に取引先や取材先との間に見られた悪しき慣習を一掃することについて、関係者に丁寧に説明するとともに、国民視聴者の理解を得られるよう取り組むこと」
(3)「以上の収集分析や対応の結果について、5月中に総務省に報告すること」
さらに村上大臣は、「人権尊重、コンプライアンスやガバナンスに関する施策の実効性を確保するとともに、透明性を持って説明責任を果たす体制を構築し、国民視聴者およびスポンサー等の関係者の信頼回復に社を挙げて取り組んでいただきたい」と述べました。