「東大前駅」で大学生が突然切りつけられるという事件が起きた。
容疑者の動機など多くナゾがあるが、移住した長野県を取材すると、その素顔が見えてきた。
大学生を合わせて3回切りつけ
帰宅ラッシュの地下鉄がパニックに陥った。

「何が起こってるの?」
「不審者??」

7日午後6時55分頃、東京・文京区の東京メトロ南北線「東大前駅」で、大学3年の男性が刃物を持った男に切りつけられた事件。

発生直後の写真には、ホームに残る無数の血痕や…

被害者と見られる男性がホームで手当を受ける様子が記録されていた。

現場となった「東大前駅」はその名の通り、東京大学の最寄り駅の1つ。東大生の間にも衝撃が走った。
東京大学4年生:
それこそ僕、最寄りが東大前(駅)で、(事件の)あの辺りが定位置でよく電車を待ってたので、怖いなと思いますね。
東京大学3年生:
ちょっと帰るのが早かったら、巻き込まれたりみたいなこともあったのかなと思うと、ちょっとゾッとします。

警察車両の中でまぶしそうに顔をしかめ、目を閉じた男。
殺人未遂の現行犯で逮捕された戸田佳孝容疑者(43)。

捜査関係者によると、戸田容疑者は電車に乗ろうとした大学生を背後から切りつけた上、電車内に避難し、驚いて振り返った大学生を1回。

さらに倒れ込むように座り込んだところを1回と、合わせて3回切りつけていた。

その直後、周囲にいた男性らに取り押さえられた戸田容疑者は、改札付近で多くの警察官に取り囲まれ、連行された。

ホーム上に落ちていた、凶器とみられる刃物は、刃先が角張った、特徴的な形をしていた。
東京の道具街・合羽橋の包丁専門店を取材すると、同じタイプの包丁があった。

合羽橋 包丁店店長:
「菜切りですね。日本の伝統的な野菜を切る「菜切り包丁」。
昔ながらの形の包丁で、今はだいぶ減っています。田舎の方とか年輩の方は馴染みがあると思うんですけど。

四角い形状で、野菜を切るのに適した「菜切り包丁」。今では使う人がわずかで、流通する本数も少ないという。
数年前に長野県に移住、地元の人とも交流
記者リポート:
近所の住民によりますと、戸田容疑者は数年前から山間のこちらの集落で生活していたということです。

(Q.いつから?)
近所の住民:
2、3年前。空き家バンクに登録されたのを見て、彼が購入したみたい。「ITの仕事をしてる」って話をしていた。行儀いいですよ、だから今(事件を)聞いてびっくりして。
数年前に長野県に移り住み、地元の人とも交流があったという。

近所の住民:
ちょっと裏に畑を作って菜っ葉を植えて、「採ったんですけど良かったらどうぞ」って全部くれましたね。
(Q.以前は?)
(東京の)中野に住んでたと聞いてるので。

かつて住んでいたという東京で、なぜ今回の犯行に及んだのか。
警視庁は、戸田容疑者が通信制大学の身分証を所持していたことから、確認を進めている。
(「イット!」 5月8日放送)