群馬・中之条町の2つの郵便局で、全国初の新しい取り組みが始まった。窓口業務担当の局員が午前中、隣接する郵便局に出勤して配達業務を行い、午後から本来の郵便局で窓口業務を行うため、2つの郵便局の窓口の営業時間が午後だけになるのだという。専門家は「郵便局のネットワークを維持するための取り組みの一環」と説明する。
午前は他局で配達・午後から窓口業務
山々に抱かれた群馬・中之条町。

1日からこの地域の郵便局で全国で初めての取り組みが始まった。

中之条町にある六合(くに)郵便局は1日午前11時、営業していなかった。
近隣住民:
ATMで通帳の記帳をしようと思って来た。きのう(4月30日)までは9時から5時までだった。

1日から六合郵便局と入山郵便局、町内の2つの郵便局の窓口で営業時間が午後だけになったのだ。

新しい取り組みとは、次のようなシステム。

これまで窓口業務を担当していた局員は午前中、隣接する草津郵便局に出勤してそれぞれの局のエリアで配達業務を行い、午後になると本来の郵便局に戻って窓口業務を行うのだ。
実際の配達業務は6月1日から…背景に配達する人手の不足
実際に配達業務に当たるのは6月1日からで、1日は研修が行われていた。

研修を受けた郵便局員:
20年前に配達の経験はあるが、まだ新しいことも覚えていかないといけない。不安なところはあるけど、一歩一歩確実に仕事をこなす。

草津郵便局・黒岩伸一局長:
(草津町では)配達をするにしても観光客のみなさんがたくさんいる中を縫うようにして配達しないといけない。普段より何倍も時間が掛かる。
職員は研修を終えたあと、普段、自分が働く郵便局に戻り窓口業務を行っていた。

この取り組みの背景の1つにあるのが人手不足。
草津郵便局・黒岩伸一局長:
今回の施策というのは配達する人の要因対策の部分もある。
専門家「郵便局ネットワーク維持するための取り組み」
専門家は、こうした動きは地方地域を中心に全国に広がる可能性があると話す。

第一生命経済研究所 首席エコノミスト・永濱利廣さん:
地方では高齢化によって窓口にお客さんが来にくくなっている一方、郵便物とか荷物の配送ニーズが強まってますから、(今回の施策は)郵便局のネットワークを持続可能な形で維持するための取り組みの一環では。
(「イット!」 5月2日放送より)