かつて秋田市の繁華街・川反のお座敷を彩った「川反芸者」の伝統を復活させようと2014年に誕生した「あきた舞妓」がデビュー10周年を迎えた。「あきた舞妓」のこれまでの歩みを振り返るとともに、新たな取り組みに挑戦する姿を追った。
あきた舞妓のルーツは「川反芸者」
観客を前にあでやかに舞う女性たち。

「あきた舞妓」と「あきた芸者」だ。現在4人が舞妓・芸者として活動している。
あきた舞妓のルーツは、かつて秋田市の繁華街・川反のお座敷を彩った「川反芸者」。

最盛期には200人もの芸者が活動していたというが、時代の変化とともに姿を消していった。
秋田が誇る伝統文化を復活させ、おもてなしの心を次世代に受け継ごうと2014年に誕生したのが「あきた舞妓」だ。
誰もが気軽に“会える秋田美人”
2016年には、千秋公園で営業していた料亭を改修した活動拠点「あきた文化産業施設 松下」がオープン。

観光客向けの公演を定期的に開催するなど、お座敷での宴会に出向くだけでなく、あきた舞妓は誰もが気軽に“会える秋田美人”として親しまれている。
ほかにもイベントへの出演やガイドとしての役割も担うなど、今や秋田の観光になくてはならない存在に成長した。

あきた芸者・おとはさん:
皆さんの支えがあったからこそ、ここまで「あきた舞妓」が続くことができたと思っている。秋田といえば、秋田犬やなまはげをイメージする人が多いと思うが、秋田といえば「あきた舞妓」「あきた芸者」といずれはイメージしてもらえるような存在になれるよう精進していきたい。
新たな挑戦!“台湾語”でおもてなし
活動開始から丸10年を迎え、あきた舞妓は新たな挑戦を始めた。それが台湾語の習得だ。
秋田と台湾を結ぶチャーター便の就航で松下を訪れる台湾人観光客が増えてきていることから、4月からレッスンが始まった。

最初のレッスンの日。客を迎える時に必要になる基本的なあいさつや、自己紹介の仕方を学んだ。日本語とは全く違う発音に戸惑う場面もあったが、それでも「おもてなしの気持ちを自分の言葉で伝えられるようになりたい」と、何度も何度も練習を繰り返していた。

あきた舞妓・まめ佳さん:
海外で自分の母国語を話してもらえると絶対にうれしいと思うので、英語や日本語ではなく少しでも台湾の人の言葉で意思疎通をして、おもてなしできたらいいなと思って前向きに頑張っている。
初めてのレッスンから約3時間後。台湾人観光客が松下にやってきた。

あきた舞妓たちは、覚えたばかりの台湾語を早速披露。繰り返し練習した自己紹介も完璧だ。
舞妓たちの一生懸命な姿に、観光客はひときわ大きな拍手を送っていた。

あきた芸者・おとはさん:
緊張したけれど、拙い文章でもなんとかリアクションが返ってきてくれたのがうれしかった。他に言いたかった言葉もあったので、リスト化して次回までに言えるようにしたい。
伝統の枠にとらわれず、あきた舞妓は進化を続け、国内外の人たちにおもてなしの心を届ける。
(秋田テレビ)