宇和島に誕生した「アトリエぱれっとガロ」
鈴木瑠梨キャスター:
「わあ、落ち着いた色合いでおしゃれですね。この暖かい光、癒しの空間です。」
愛媛県宇和島市泉町に新たにオープンした「アトリエぱれっとガロ」
子どもから高齢者まで幅広い世代にアートを気軽に楽しんでもらおうとオープンした施設で、絵画などの教室やギャラリー、さらに、カフェを設けている。

生徒それぞれが好きなものを自分のペースで描く絵画教室
教室を覗いてみると…
行われていたのは絵画教室。生徒それぞれが好きなものを自分のペースで描く。
絵画教室歴6年・70代女性:
「素敵ですよね。今まで(前の建物)は教室って感じだったけど、今はなんとなくサロン。」
4月から教室にきた70代女性:
「久しぶりに絵を描いて楽しいです」
絵画教室歴10年・70代女性:
「描く人の個性に合わせて指導してくださるから、安心して描くことができます。」

15年前に絵画教室「アトリエぱれっと」を立ち上げた
施設の代表で絵画教室の講師も務める清家由佳さん。
絵が大好きな子どもたちを応援したいと、18年間勤めた美術教師を辞め15年前に絵画教室「アトリエぱれっと」を立ち上げた。
清家さん:
「私自身が宇和島出身で、アートを学びたくてもなかなか学べる場所も少なかったし、アートに触れる機会も少なかったので、この宇和島でもアートが学べて、そしてアートを楽しんで親しむことができる場所っていうのを微力なんですけど、私ができることであればやってみたいなと思って」

宇和島市内で絵画や書道教室、ギャラリーを運営
宇和島市内で絵画や書道教室、ギャラリーを運営。しかし場所は2階で通いづらい生徒もいたため、新たな場所を探していた。
アトリエぱれっとガロ・清家由佳さん:
「足の不自由な方とか車椅子の方たちが、上に上がることができなかったんです。アートっていうのは誰でもが楽しめる、そういうものだと思ってますので。」
施設の入り口は…
清家さん:
「ここがスロープになっていて、元々小児科だったので、こういう風に車いすでも入れるようになっています。」
新しい施設ガロは、元々小児科医院だった建物を改装。入り口も段差をなくし、バリアフリーにした。室内には、小児科医院だった名残もあり可愛らしい壁紙はそのまま、子ども向けの教室として活用している。
改装費用の一部はクラウドファンディングで募り、約120万円の寄付が寄せられた。

皆さんの持っている五感を刺激するような場所だったら…
清家さん:
「この場所は皆さんの持っている五感を刺激するような場所だったらいいなと思って。」
ガロのギャラリーでは、地元出身アーティストの里帰り展などを開催。宇和島市出身の画家・森本秀樹さんはオープンに協力した1人。
画家 森本秀樹さん(宇和島出身):
「今までこういう場所はなかったですね。全国で活躍している人で宇和島の方がまだ知らない人がほとんどなので、それを見ていただくことでまた違った価値観が生まれるんじゃないかと思って。」
長年、東京で活動している森本さんが、様々なアーティストとの橋渡し役を担っている。

GINO中村さんの回顧展(~5月4日まで)
現在開催されているのは宇和島市出身で、ブラジルなどで活躍したGINO中村さんの回顧展です。
鈴木瑠梨キャスター:
「こちらは油絵ですかね。結構色彩も派手な感じがしますね。」
森本さん:
「これも性格でしょうね。それと厚塗りっていうのが、彼の気持ちがすごく出ている絵ですよね。」
若いころに描いたという、大胆な色彩とタッチのこちらの作品。
森本さん:
「ちょっとフォーブ的(野獣的)といいますか、心象も入ってるんですけど、かなり大胆な作品の作り方をするんですけど。」
一方、ブラジルから帰国した後は、飼い猫をモチーフにしたものなど、優しい作品が多いという。
アーティストの作風の変化も感じることができる。

ガロには気軽にアートを楽しめる場も
ガロには気軽にアートを楽しめる場も。
清家さん:
「今回はカフェを取り入れて。」
施設内にあるカフェ、CommencecafeGARO.では、週替わりのランチや、ドリンクを提供。カフェにもアート作品が飾られているほか、机などのインテリアもアートとして楽しんでほしいという。
清家さん:
「ギャラリーとかそういう絵画教室ってね、ちょっと敷居が高いって言われたり、心配されてる方が多かったんですけども、カフェを用意することで、皆さんが気軽にアートに親しめるような、こういう動線というか、道ができたかなと思ってます」

カフェを任されたのはカフェバーなどで勤務経験がある林さん
カフェを任されたのは、ホテルのバーテンダーやカフェバーでの勤務経験がある林昭子さん。
CommencecafeGARO.林昭子さん:
「地元の野菜を使ったサラダとか、私がビサイファームっていう団体をしているんですけど、そこで作った野菜を入れてスープを作ったりとかしています。」
林さんは宇和島市のNPO団体、BISAI-FARMの代表も務めていて、耕作放棄地を利用して野菜を栽培。災害時は被災地へ供給し、普段は子ども食堂へ提供する取り組みをしている。

ランチは一日限定20食
1日限定20食の週替わりランチ。この日のメニューは自家製ハンバーグです。タネやソースにはたっぷりの玉ねぎが入っています。
鈴木瑠梨キャスター:
「お肉ジューシーです。玉ねぎが結構入っているので、食感も残っていて、このソース、程よい酸味があってハンバーグとよく合います。」
ハンバーグの横には、地元で採れた新鮮野菜がたっぷり!
そして、BISAI-FARMで育てた玉ねぎのスープは?
鈴木瑠梨キャスター:
「優しい甘みです。中に入っている玉ねぎも柔らかくておいしいです。このアートに包まれた空間で楽しむランチ、最高です。」
オリジナルのブレンドコーヒーを合わせると、よりゆったりとした時間が過ごせそうです。
絵画教室の生徒:
「おいしいんですよ」「新鮮な野菜を使ってすごくおいしいんです。」
クラウドファンディングで寄付したお客さん:
「とても素敵で今ちょっと感動してます。」
「片田舎でも子どもたちが自分の可能性を見つけて広げていける、大きなチャンスになると思うので、夢が広がるんじゃないかなと思います。」

宇和島にいろんなアートの場所ができたらいいな
清家さん:
「これは大きな夢なんですけども、宇和島にいろんな、アートの場所ができたらいいなと思ってます。宇和島と言えばアートの街って言われるぐらい、そういうアートに溢れる街になってくれたらとってもうれしいなと思います。」
宇和島に誕生した新たなアートの拠点。芸術で人々をつなぎ、地域の文化を豊かにしていきます
