新潟県上越市の小学校で、給食に割れた蛍光灯のガラス片が混入したにも関わらず、給食を継続させていたことが分かった。また、教育委員会は3月に、異物混入が疑われる場合には、給食を中止するよう通知を出していたという。この問題を受け、中川幹太市長は「安全であるべき給食の信頼を損なった」として安全管理の徹底を指示したと話した。
“ガラス片”混入も給食継続 児童2人が破片を口に…
上越市の小学校で4月22日の給食時間帯に、取り外された状態で黒板横に立てかけられていた蛍光灯が割れ、破片が配膳中の給食に混入。

担任と介護員が目視で食缶を確認し、破片を取り除き、そのまま児童に食べさせていたことが分かった。
その後、異物を取り除いて配膳した給食を口にした児童2人から「麻婆豆腐に破片が混入している」と申し出があり、児童1人は7~8mmの破片を、もう一人は2mmほどの破片を口に含んだという。
また、別の1人は、ごはんに破片が入っていることを見つけたが、いずれも異物を取り除き、給食を継続した。
ガラス片を口にした児童にケガはなかった。
“異物混入の場合は給食中止”1カ月前に通知も守られず
上越市教育委員会は3月28日に、24年度の給食への異物混入事案が市内65校で116件あったとして、異物の混入が疑われる場合は、児童生徒の安全を最優先し、給食を中止するとともに、市に報告するよう通知を出していた。

中澤雅人教育部長は「危機管理意識を欠いていたと言わざるを得ないと思っている。気づかないうちに口・体内に入れている可能性は十分考えられるので、しばらくの間、健康観察を続けてくださいとお願いしている」と釈明した。
「信頼損なった」市長は安全管理の徹底を指示
学校給食への信頼が揺らぐ事態に中川幹太市長は、24日の会見で「私どもの安全確保対策の不備が原因と考えており、安全安心であるべき給食の提供の信頼を損なってしまった」と謝罪。安全管理の徹底を指示したと話した。

上越市は、異物の混入が疑われる場合には速やかに給食を中止することを改めて各学校に通知し、再発防止に努めるとしている。
(NST新潟総合テレビ)