スマホを見ながらやイヤホンを着けながら、街でよく見る自転車の“ながら運転”。こうした、ながら運転による自転車の死亡・重傷事故は年々、増えている。自転車の取り締まりはこれまでも行われているが、新たに反則金での取り締まりが2026年4月からスタートすることが正式に決まった。スマホのながら運転には1万2000円。イヤホンを着けながらの運転には5000円など、113の違反行為が対象となる。

これまでの取材でも多くの違反行為が…

「イット!」はこれまで、様々な違反行為を取材してきた。

この記事の画像(27枚)

中でも多かったのが、スマホのながら運転。

2024年春の取材では、手にスマホを持った男性が踏切を渡る時も操作をやめず、制止する警察官を完全に無視。

警察:
止まってください、止まって!止まれ、止まれ!

ようやく止まると、ながら運転の違反に気づいていないそぶりを見せた。

警察:
止まれって言ってるのになんで止まらないの。
男性:
んんん?何?
警察:
携帯。
男性:
あ~。携帯。
警察:
あ~じゃないよ、分かってるでしょ。

警察:
携帯は何してたの?
男性:
ナビ見てました。
警察:
ナビね、本当に危ないから。
それで踏切の途中で転んでひかれてしまうこともあるので。

この時は警告にとどまっていたが、2026年4月以降は16歳以上を対象に、違反した場合、車やオートバイと同じように反則金の納付が求められる。

例えば、一時停止違反も対象になる。

時には、自転車が止まらないので原付きバイクが道を譲る場面もあった。
大きな事故になる恐れもある危険な行為だ。

しかし、当の本人は「私そんな悪いことした?」と話していた。

警察:
だって車来てましたよ。
女性:
えー私困っちゃう、行かないと。
警察:
一時停止気づかなかったですか?
女性:
全然。
警察:
気づかなきゃダメです。

一時停止違反は5000円の反則金となる。

信号無視や逆走、歩道走行の違反行為は6000円

さらに、街でよく見る逆走だが、車道を走る自転車は、車と同じ左側通行が原則になっている。

取材中に逆走の違反をした女性は、「左側通行難しくないですか?」と話していた。

警察:
それがルールなので、結局事故とかあった時に過失問われる。
自転車の違反も反則金を払わないと今後なっていく流れなので。

信号無視・逆走・歩道を走る違反行為の反則金は6000円。

さらに自転車同士が並んで走るのも3000円の反則金となる。

取材中、並走していた2人に話を聞くと、2人は違反になることを知らなかった。

並走の違反者:
2人なら並走するかも。3人だと一列かな。反則金はとらなくてもいいんじゃないかな。(並走の違反金3000円)高い…。

そもそも“ながらスマホ”が原因で死亡したり、重傷を負う事故は年々増えていて、警察庁のまとめによると、2024年は過去最多となる28件と、この10年で、実に3倍以上も増えている。

2017年には、20代の女子大生が左手にスマホ右手に飲み物を持ちながら電動自転車を運転。衝突された77歳の女性が死亡する事故が起きた。2024年も、ながら運転による死亡事故が1件あり、対策が急務となっていた。

24日、「イット!」が取材したのは東京・江戸川区。

ディレクターが声をかけたのは、イヤホンをしながら自転車に乗る、ながら運転をしていた男性。ようやく立ち止まった男性は、イヤホンを取りポケットにしまいこう話した。

ながら運転違反者:
(Q.イヤホンしていた?)はい。
(Q.2026年4月から5000円の反則金ですが?)しょうがない。僕が悪いと思います。
(Q.制度が始まったらイヤホンやめる?)そうですね。言われるなら。

イヤホンを付けながらの運転
イヤホンを付けながらの運転

警察庁は、自転車の違反行為に反則金を科す、いわゆる「青切符」の取り締まりを2026年4月1日から行う方針を決めた。反則金は16歳以上が対象で、傘をさしたり、イヤホンを着けながらの運転には5000円の反則金が科せられる。

スマートフォンを見ながらの自転車運転は1万2000円の反則金
スマートフォンを見ながらの自転車運転は1万2000円の反則金

ながら運転で、より厳しい措置が取られたのが、スマートフォンを見ながらの自転車で、その反則金は、イヤホンの倍以上1万2000円。

街では、20代女性「高い。ちょっと怖いですね…気をつけないとと思います」、40代女性「結構、皆さんぐわーっとルール守らずに乗っている方が多いので」、30代女性「そういう制度ができるのであればありがたいなと思います」、女性「何でも罰金で片付けようとするのは良いとは思いません」、女性「3000円だの5000円だとあれでしょ、あれはよくない。じゃあ乗るなっていうような感じだよ、それじゃあ」などといった声が聞かれた。

スマホのながら運転の危険性は?

スマホのながら運転は、どれだけ危険な行為なのかーー。

事故を再現した映像では、スマホの操作に夢中でスピードを落とすことなく自転車が壁に激突した瞬間、体が宙を舞った。

これがもし、人間にぶつかった場合、大きな事故につながりかねない。

ただ、違反行為が全て反則金につながるということではないようで、警察の指導や警告に従わず、一時停止をしなかったり信号無視をする行為や、人や車にぶつかりかねない危険な行為に対しては、即反則金の青切符の対象となりそうだ。
(「イット!」 4月24日放送)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(27枚)