20年前の2005年、小泉純一郎氏率いる自民党が衆院選で圧勝したこの年に、世間をにぎわせるとんでもない“人気者”が現れたことを覚えていますか?

それは…「まりもっこり」

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北海道・阿寒湖の特別天然記念物「まりも」をモチーフにした、緑色のキャラクターで、そのなんとも言えない笑顔と“もっこり”がウケたのか、老若男女に大人気となりました。

観光客が押し寄せ土産店も大盛況の中、北陸版の「甘エビもっこり」や、岩手版の「かっぱもっこり」など、350種類以上の「ご当地もっこり」が登場。

みどりの“もっこり”部分が剥がれると恋人同士がうまくいくという都市伝説や、小学生が歌って踊るテーマソングを全国発売するまでに至りました。

飛ぶ鳥を落とす勢いだった「まりもっこり」。
しかし、2006年に滋賀県彦根市の「ひこにゃん」登場を皮切りに「ご当地キャラクター」が乱立する戦国時代に投入するのです。

北海道文化放送 狐野彩人アナウンサー
北海道文化放送 狐野彩人アナウンサー

世間の目や規制が厳しくなる昨今、「まりもっこり」はどうしているのか?
北海道文化放送の狐野彩人アナウンサーが「まりもっこり」の“今”を取材しました。

まりもっこり 今の姿は?

札幌市の繁華街にある土産店で、「まりもっこり」を探す狐野アナウンサー。

UHB 狐野彩人アナウンサー:
あ!ありました、あの緑色、これじゃないですか?お~!まりもっこり、ありました!

シマエナガなどの人気キャラに場所を奪われ、少し売り場は縮小しているものの、そこには昔と変わらない姿の「まりもっこり」が陳列されていました。

手に取って見ていた高校生に話を聞いてみると…。

――まりもっこりを知っていますか?
地元の高校生:

はい、北海道にいたらみんな知ってると思う。超イイ、中学生、高校生、小学生、大好き!

いまだに地元の学生には大人気だといいます。

大阪から仕事で来ていた男性:
娘に買ってきてって頼まれた。(娘は)17歳です。

――なぜまりもっこりを?
知らない、俺が聞きたいくらい。

どうやら、誕生から20年たった今も、全国に根強いファンがいるようです。

さらに向かった先の観光地・小樽市では、衝撃的なものが目に飛び込んできました。そこにあったのは、まりもっこりの「顔出し看板」。なんと、手作りだといいます。

看板になっても主張するあまりにも露骨な“もっこり”に観光客の親子は興味津々。

東京からの観光客・子ども:
もっこりしすぎじゃない?

東京からの観光客・父親:
やっぱり“もっこり”に男の子は反応するんで、残っているっていうのはすばらしい。

山吹商店が20年作り続け、現在4代目になるというまりもっこり看板。気になる“もっこり”部分の作り方は…。

「山吹商店」山吹佳奈子さん:
これはですね、家にあるタライとかボウル、うまく丸いやつを見つけてくっつけました。
ペシペシとたたいていかれる方が多いですね。

生みの親を取材

今も、世代や性別、さらに国籍も関係なく、多くの人に受け入れられている「まりもっこり」。

生みの親は現状をどう捉えているのか、札幌市にある、まりもっこりを生み出した「株式会社キョーワ」を尋ねました。

――“もっこり”という表現が20年前と受け取られ方が変わってきているのではないかと思うのですが?
株式会社キョーワ 工藤治彦社長:

モチーフというか、キャラクターに対してのクレームっていうのはないですね。一回もないですね。売っていただける方がいて、買ってもらえる方がいる以上は、言われたらとりあえず、「ごめんなさい」って謝るか、そのくらいの程度でいいかなと。

20周年記念グッズは…シマエナガ!?

携帯ストラップからはじまり、様々な商品を出し続けて20年目のまりもっこり。
この先も人気であり続けるため、社長渾身のアイデア商品が開発されたといいます。

UHB 狐野彩人アナウンサー:
店頭にはたくさんまりもっこりグッズが並んでいますが…最新のグッズがこちらです!

MC 谷原章介:
それ、シマエナガですよね?

UHB 狐野彩人アナウンサー:
シマエナガに見えますよね?
実は、リバーシブルになっていて、ひっくり返すと一瞬でまりもっこりに変身するんです!

まりもっこり&シマエナガ リバーシブルマスコット
まりもっこり&シマエナガ リバーシブルマスコット

峯村健司氏:
もっこりしてないじゃないですか。

UHB 狐野彩人アナウンサー:
もっこりは緩みつつあるんですけども…今の人気者とコラボレーションが進んでいるということですね。癒やされます!
(「サン!シャイン」 4月24日放送)