八代亜紀さんを巡って、4月21日、本人の思いとは別に、ヌード写真が同封されたCDが発売されました。

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定価3700円のCDが、発売当日からフリマサイトで転売される事態となっています。中には1万7000円で売れているものも。

しかも CDの表紙には、“第一弾”の文字が…。

レコード会社「永久に八代亜紀を忘れないように」

こうして発売されたアルバム。
レコード会社は、アルバムの中で今後の意向についても明かしています。

〈歌詞カードの「ごあいさつ」より〉
このままでは多くのBIGと同様に過去の人として忘れ去られるだけの状況になるのは必然であり、弊社としては非常に残念なことでもあり、一大決心の挙句、永久に八代亜紀を忘れないようにとの思いからインパクトある〔お宝シリーズ〕の発売をしました。

〈歌詞カードの「あとがき」より〉
弊社には八代亜紀の歌唱原盤を約250曲、それと多くの写真や肖像動画(プロモーションビデオ)、N氏との同棲期間の複数の資料その他のお宝などを保有しています。
今後も第二弾・第三弾として発売していく予定です。

発売を受けて、21日、八代さんの事務所は…。

〈八代さんの事務所コメント〉
現在、ご遺族が主体となって弁護士と法的措置を検討中です。

八代さん亡き後に持ちあがった写真を巡る問題。
今後、どのように解決するのでしょうか。

「サン!シャイン」では元東京地検公安部長の若狭勝弁護士にプライベートな写真の権利について解説していただきました。

死後のプライベート写真 なぜ売るの?

CDを発売したレコード会社の主張
「当社は問題となっている写真などすべての所有権を有しており、売買契約書もございます」

事務所の主張 
「肖像権およびパブリシティー権の侵害。使用を許諾した事実はない。許諾する意思もない」

MC 谷原章介:
「N氏との同棲期間の複数の資料、その他のお宝などを保有している」というのが、結局、同棲期間の私的なものじゃないですか。その私的なものがなぜ当時のレコード会社に“所有”という状態になっているのかが僕は分からないです。

鈴木おさむ氏:
今回のプライベート写真のようなことがあると、「これはありなんだ」と同じことをやる人が出てきてしまう可能性もあるじゃないですか。絶対止めてほしいですよね。

MC 谷原章介:
販売差し止め、仮処分申請はなぜされなかったのでしょうか?

若狭勝弁護士:
販売差し止めができる場合というのは、今回で言えば事務所側にかなり強い権利の侵害というのがうかがえる場合に事務所側が差し止めを申し立てることができるのですが、逆に言うと、事務所側に強い権利侵害性がないと、なかなか裁判所に訴えても差し止めというところまで認められないということが多いです。

私的写真の権利は?

鈴木おさむ氏:
芸能人はプライベートの写真にも勝手に売買できる権利が発生してしまうんですか?

若狭勝弁護士:
肖像権があるので肖像権を侵害される形で勝手に売買されるというのはできないと思います。

岩田明子氏:
今回、肖像権を侵害されたということで仮処分申請申し立てはできないんですか?

若狭勝弁護士:
今回は、八代さんがすでに亡くなってしまっている。亡くなってしまうと肖像権というのは消滅してしまいます。肖像権自体は、その人固有の権利だったので相続の対象にはならないんです。

岩田明子氏:
ご遺族の気持ち、心理的負担とかは保護対象にならないんですかね。

若狭勝弁護士:
遺族は八代亜紀さんに対しての思いがあって、遺族としても八代さんのイメージを壊されたくないと。平穏にずっと八代さんのことを思い続けたいという思いは、今回、侵害されているということですので、将来、損害賠償の民事訴訟を起こすことは可能だと思います。

MC 谷原章介:
今回の写真は、極めて私的な写真ではあるじゃないですか。リベンジポルノ防止法ができて、相手方の裸であったりそういうものを人にばらまいて、見えるような状況にしてはいけないはずですよね。今回それを販売するというのはその行為にあたらないんですか?

若狭勝弁護士:
それにあたらないとは思います。リベンジポルノ防止法というのは、元々交際していて、別れたあとに、「相手方に復讐するために、撮った裸の写真などをばらまく」というのを防止するというのが法律の趣旨なので、元交際相手への恨みがあるときに成立する、とすると、今回、レコード会社と事務所間においてのいざこざがあるにしても…写真を撮ったN氏が八代さんに対してリベンジするという気持ちがない状態だとすると、法律的には難しいと思います。
法律的に問題があるかどうかというよりも、ビジネスとしては公正でないことは確かだと思います。ビジネス、倫理的なものにおいては、私は非常に問題があると思います。
(「サン!シャイン」4月22日放送)