1963年に赤坂御苑で開かれてから60年以上の歴史が続く、天皇皇后両陛下主催の「春の園遊会」。今年は22日に開催されますが、今回、初めて皇族方の歩かれるルートに変更があるといいます。

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これまでは天皇陛下を先頭に皇族方が1列となって順々に招待者と歓談されていましたが、今回からは3つのルートにわかれることになります。
1つ目は天皇皇后両陛下、2つめは秋篠宮ご夫妻、常陸宮妃華子さま、寬仁親王妃信子さま、三笠宮家の瑶子さま、高円宮妃久子さま、そして3つめは、愛子さま、佳子さま、三笠宮家の彬子さま、高円宮家の承子さまとなっています。

変更の理由は、“暑さ”。世界的に見ても、近年の年平均気温は上昇しており、強い日差しの中で立っていることで、体調を崩す招待客も。

また、より多くの人が皇族の方々と交流できるように配慮したものだといいます。

実際に2023年の園遊会に招待された、将棋界のレジェンド加藤一二三氏は…。

加藤一二三氏:
私は長く待ったという感じを持っていませんが、暑いっていう人はやっぱり、待ち時間はちょっとやっぱり、短めの方がいいですよね。

加藤一二三さんと一緒に参列した娘さんも、宮内庁側は多くの配慮をしてくれてはいたものの、「参加した際も気温が25℃くらいで暑かった記憶があり、暑さ対策で水を持参していました。人が密集するため、人の体温や熱気で気温以上に暑さがこもっていた。ピンマイクを付けない人は場所が決まっていないので、少しでも良い場所を取ろうと2時間くらい待機する人もいらっしゃいました」と話していました。

招待客がもっと自由に楽しんで…両陛下の配慮

フジテレビ皇室担当の橋本寿史解説委員によると、これまでは約1300人~1900人ほどの招待客が1列に並び、皇族方と交流をしてきました。

また、ほとんどの招待客は並ぶ場所などが決まっていないため、昼12時半の開場と共に、皇族方と交流しやすい場所の確保に向かわれる方もいたといいます。

フジテレビ皇室担当 橋本寿史解説委員:
両陛下や色々な皇族方とお話がしたいということで、(皇族方が)歩かれる前から皆さん並んでしまう。長くなれば、1時間以上そのルート沿いで待ってしまうということもあり、気温も非常に高いので前回は体調を崩される方が5人ほど出られて、そのうち2人が病院に搬送されるということもあり、招待客の体調ということに関しても、両陛下はもちろん、宮内庁も大変心配しておりました。
ですから、招待された皆さんがもっと自由な形でいろんな場所で歓談されて園遊会自体を楽しんでほしいという気持ちも強くあったということです。

実際に、春の園遊会が行われる22日の予想最高気温は、24℃と非常に暑い日となっています。

さらに、ルートを変更したもうひとつの理由として、「食事や音楽を楽しんでほしい」という意図もあるといいます。2024年の秋には、6年ぶりに御料牧場で育てられた羊のジンギスカンが振る舞われ、さらに今回からアルコールも復活するといいます。

フジテレビ皇室担当 橋本寿史解説委員:
今回分散したことで、どのような効果があるか、宮内庁も今回やってみて、様子を見ながらまたいろいろと改善点があれば改善していくという形になると思います。
(「サン!シャイン」 4月21日放送)