不安なら帰宅後はお風呂へ直行!
「ルームチェンジのリクエストが叶わずに、トコジラミの発生が疑われる部屋に泊まったときなどは、“万が一、荷物や衣服にトコジラミがくっついていたらどうしよう…”と帰路についてからもずっと不安が頭から離れないことがあります。そんなときは、ぜひ自宅でできるトコジラミ駆除法を試してみてください」
足立さんによれば、以下の2つの駆除方法を実践すれば、旅先の宿からトコジラミを連れて帰ってきたとしても、家に入るのを水際で食い止めることができるという。
(1)自宅に着いたらすぐに荷物を風呂場に運び、ドライヤーの熱風を吹きかける。

「トコジラミは高温に弱いため、荷物にトコジラミが隠れていた場合はドライヤーの風を当ててしばらくすると、熱さに耐えきれずに這い出してきてボロボロと風呂場の床に落ちてきます。それをシャワーで流してしまえばいいのです」
(2)着ていた衣服を風呂場の中ですべて脱いで、熱めの湯を張った浴槽の中に衣服を沈める。

「トコジラミは50〜60度の湯の中に入れると数十分で死滅するので、追い焚き機能などを使って、まずはできるだけ熱いお湯を用意してください。そこに服を入れて、お湯をたっぷり吸わせて沈めます。トコジラミが衣服に潜んでいた場合は、しばらくするとプカプカ水面に浮いてくるので、それを集めて捨てましょう」
足立さんが教えてくれたトコジラミ対策は、ビニール袋を用意する以外は、新たな道具や費用も必要なく、誰もが簡単にできるところがありがたい。
旅に出かける予定のある人は、参考にしてみてほしい。
(精神が崩壊するほどのかゆみ?トコジラミの症状についてはこちらの記事へ)
(旅行先での対処法についてはこちらの記事へ)

足立雅也(あだち・まさや)
害虫駆除や鳥獣対策を手掛ける「808シティ」代表取締役社長。大手害虫駆除専門チェーン店勤務中に全国コンクールで優勝。その後、業務用殺虫剤、噴霧器を販売する商社に転職。蚊やマダニに対する殺虫剤効力評価試験に協力する。宿泊関連業界、殺虫剤メーカーと協力し、トコジラミ駆除方法を研究し、講演や執筆にて全国に広める。独立後、自ら現場作業をする傍ら、数社の技術指導を行う。
取材・文=中村宏覚