エンディングカットという仕事をご存じですか?

生前と同じ姿で旅立てるように、亡くなった方の髪の毛など容姿を整える。それが「エンディングカット」です。

山下夕子さん:
最後の瞬間を私がカットさせていただける、いつもの姿になったって喜んでもらえることが一番嬉しいです。
亡くなった方を棺に納める納棺師としての技術も持つ“おくりびと美容師”です。

美容師の山下夕子(やました・ゆうこ)さん。

山下夕子さん:
寝た状態でのカットになるので、いつものカットよりも、どうしても髪の毛が後ろに下がってしまうので、そこをちょっと意識しています。

この日、エンディングカットを行ったのは、闘病中に何度も「髪の毛を切りたい」と家族に話していたという男性です。

遺族とともにカット、そしてシャンプーも行います。

さらに、頭皮をマッサージすることで表情が和らぐ効果もあるんです。

亡くなった男性の娘:
おとうさんだ…。父がやっと「さっぱりした~」って言っていると思います。
最後に希望を叶えてあげることができて、すごくよかったです。

山下さんは15年以上、美容師として勤務。

“旅立ちの時もいつもと変わらない姿でいてほしい”と、5年前からエンディングカットを続けているのです。

山下夕子さん:
故人さまの、最後の瞬間に美容師として立ち会わせてもらえるって、すごく良い仕事だなと思ってやらせてもらっています。

“生前と同じ容姿で旅立てるように”
山下さんの活動はあすも続きます。
(「イット!」3月24日放送より)