野菜の価格について、冬場に高値が続いていたキャベツの価格は今どうなっているか。熊本県内のスーパーマーケットで消費者の反応を取材した。
ピーク時1玉500円超えが298円に
熊本県内を中心に18店舗を運営するマルエイの松橋店。ピーク時には500円を超えていたキャベツが現在は通常1玉298円で販売されている。八代産のキャベツが多く出回っていることもあり、3月下旬から価格を下げて販売している。

マルエイ松橋店・青果部の水口祐志課長は「見て通りすぎる客が多かったが、今は安心して買われる」と話し、買い物客も「少しは安くなった」と嬉しそうだ。

しかし、価格は落ち着いていた一方で、例年よりも高い状態は続いているようで、水口課長は「例年だと198円くらいだった記憶がある。何年か前は。今は全体的に高くなっている」と話す。

消費者は「やっぱり、まだ高いと思う」や「安くなってきたらレパートリーを増やしたい。カット野菜とか丸ごとでなくて、袋で売っているのとかに手を出していた」と話した。

水口課長は「今から春キャベツがメインになるので、量的に入ってくる予定ですので、値段はこれから上がることはない」と話し、今後はもう少し安くなる見通しだ。

ちなみに今の時期のお買い得はレタスだといい、熊本県産が多く出回っているためで、5月に入って産地が代わるまでは、低価格で買えるという。
野菜や果物の量は前年の9割ほど
一方、熊本県内外から様々な野菜が集まる、熊本市西区の熊本大同青果。4月7日も朝から競りが行われ、活気であふれていた。

熊本大同青果の宮本崇司部長は「気温上昇に伴い、やっと(市場に)出てきた状況。トマト、キャベツもやっと潤沢に出てきたかなといった感じ」と話し、量も徐々にそろってきたという。

「徐々に」という表現。実は並ぶ野菜や果物の量は、前の年の同じ時期と比べると9割ほどだそうで、まだまだこの冬の寒さや雪の影響を受けているようだ。
この先も天候が野菜の価格左右するか
特にこの冬、高騰していたのがキャベツ。2024年の夏場の高温や12月の低温、干ばつなどを受けて出荷数が減るなど影響が出た。

農林水産省が全国470店のキャベツの小売価格を調査した結果を見ると、1月には一時1キロ当たり553円にまで上昇。平年の約3.4倍となっていたが、その後は400円代に。そして、4月8日に発表された最新情報では311円と依然として平年は上回るが、ピーク時と比べると下がってきている。

宮本部長は「キャベツも1月、2月は秋の定植からの初期生育が悪く少なかったが、いまは春キャベツの作付けが気温上昇で、うまく(進み)やっと出てきたかなという感じ」と話す。

農林水産省は、4月のキャベツの価格について「徐々に落ち着くもののやや平年を上回って推移する見通し」としている。

このほかレタスやトマトも徐々に価格は下がってきている。農水省の調査によると、レタスは1月13日の週に1キロ当たり985円だったのが、4月8日に発表された4月1日の週の価格は490円に。

そしてトマトは1046円だったのが、同じく最新の価格では788円となっている。この先も天候が、野菜の価格を左右することになりそうだ。
(テレビ熊本)