4月6日、約6年ぶりに北朝鮮で開催された「平壌国際マラソン大会」に、中国やイギリスなど約200人の外国人ランナーが参加した。
FNNは、参加者が大会の様子を撮影した映像を独自入手した。
北朝鮮が約6年ぶり“国際マラソン大会”開催
4月6日、北朝鮮で「平壌国際マラソン大会」が開催された。

コロナ禍の影響で2019年を最後に中断していたが、約6年ぶりに再開されたのだ。

国際スポーツ大会の開催は閉鎖的な北朝鮮では珍しく、中国やイギリス、ポーランドなど約200人の外国人ランナーが参加した。

FNNは参加者が自ら撮影した映像を入手。
自撮りするブルガリア人ランナーの後ろに見えるのは、かつての北朝鮮の指導者、金日成・金正日親子の肖像画だ。

ブルガリア人ランナーは、沿道で応援する北朝鮮の市民に近づくと“ハイタッチ”。

またイギリス人ランナーは、競技場のスタンドを埋める観客から大歓声を受けていた。
「何万人もの人が応援してくれた」
大会を終えた海外のランナーは8日、中国・北京の空港に到着。

中国人ランナーは「スタートとゴールの際、金日成競技場で何万人もの人が応援してくれました。これまで世界各国20回以上マラソン大会に参加していますが、こういう体験はなかったので、とても興奮しました」と話した。

一般参加者の部門で1位を獲得したというポーランド人ランナーも「コースはとても厳しくて大変でしたが、私にとっては素晴らしい経験でした。スタジアムでゴールした時、まるでオリンピックに参加しているような気分でした」と話した。
平壌市内めぐる観光ツアーも
韓国メディアによると、参加費用はフルマラソンで約2万2000円。

また、外国人ランナー向けにマラソンツアーも販売され、5泊6日の日程で平壌市内を巡る観光も含まれたということだ。

参加した海外のランナーによると、選手は宿泊したホテルでインターネットを利用できたほか、写真なども自由に撮影することができたという。

北朝鮮側の思惑について、甲南女子大学・鴨下ひろみ准教授は「コロナ禍が終わって、本格的に外国人観光客を受け入れ、外貨を稼ぎたい。もう1つは、外国人観光客を受け入れることで北朝鮮が平穏である、閉鎖的な国家、人権を弾圧しているような場所ではないと示したい。北朝鮮のイメージアップにつなげたい、そういう狙いが強く感じられる」としている。
(「イット!」4月9日放送より)