働きながら高校卒業の資格が得られる通信制高校が新潟県上越市に開校した。「高校卒業」「働く」「地域おこし」を組み合わせた全国初の通信制サポート高校となる。どんな高校なのか、そして入学生はどんな目的で入学したのか取材した。

全国初!“通信制サポート高校”とは?

入学式が行われたのは、新潟県上越市に2025年度開校した通信制サポート校・ライトシップ高等学院だ。15歳から20代までの23人が入学した。

ライトシップ高等学院の入学式
ライトシップ高等学院の入学式
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実はこの学校、従来の通信制高校とは大きく異なる。

松本将史学院長は「通信制課程を使って、週3日間ほどのOJT(有給インターンシップ)時間を確保している。これだけのボリュームで、生徒たちが賃金を得ながら学んでいくというのは全国で初めて」と説明する通り、この学院は、新潟産業大学付属高校の通信制過程に在籍して高校卒業を目指しつつ、地域の企業で賃金を得ながら働くドイツの職業教育システム『デュアルシステム』を基盤としている。

ライトシップ高等学院 松本将史 学院長
ライトシップ高等学院 松本将史 学院長

これに、地域おこしの学びを加えた全国初のカリキュラムの学校なのだ。

松本学院長は「既存の学校というのは、教室での座学が中心になりがち。社会のプロフェッショナルと一緒に仕事をするというプログラムができれば、それぞれの生徒がそれぞれの力を伸ばせるんじゃないかなという考えからこの学校をつくった」と話す。

63社と提携!新入生は「働けるところが一番魅力的」

飲食業での職業訓練を選択した生徒のスケジュールの一例を見ると、週に3日間は学院が提携する飲食店で働きながら経験を積み、そのほかの時間に通信課程のオンライン授業で高校卒業に必要な単位を取得。

そして週に1日は通学をして地域おこしに関する活動に取り組む。

提携する職場は上越を中心に、飲食・広告代理業・建設業など多岐にわたり、全部で63社に上る。

実際に入学した生徒からは「働けるところが一番魅力的。飲食店とか工業系とかで働きたい」「料理系の仕事をしたくて。他ではできないことを学べそうだと思ってここに決めた」とその入学の動機について話した。

保護者も「早い段階から人と接したり、技術を磨ける。早いうちに覚えられることは利点だと思う」と子どもの選択に理解を示した。

ライトシップ高等学院のラーニングベース
ライトシップ高等学院のラーニングベース

学院側も教員経験者など8人の講師で生徒たちを支えている。

松本学院長は「自分がどのような成長ビジョンを描いて、どのような人生を歩んでいくか。それに対して、自分としてのしっかりとした判断をつくる。その起点となる3年間を私たちが提供していく」と意気込む。

生徒たちは今後、企業研究やインターンシップなどを経て6月下旬から実際に働き始める。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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