米・ワシントンで2日、トランプ政権が発表した10%相互関税リストに、ペンギンだけが住む豪・ハード島など無人島が含まれ波紋が広がっている。この関税ショックで、3日には日米の株価が急落。石破首相は「国難とも称すべき事態」として直談判の決意を表明した。
「ペンギンとの貿易戦争」無人島にも課税
ペンギンやアザラシしかいない無人島が、いま注目を集めている。その理由は、トランプ大統領だ。

世界を揺るがしている 「トランプ関税」は、地球の隅々にも及び、ペンギンなどしか生息していない無人島にも課されていたことが分かった。一部メディアは「ペンギンとの貿易戦争」などと報じている。
10%の相互関税が課されたのは、オーストラリア領のハード島とマクドナルド諸島だ。
米・ワシントンのホワイトハウスで2日、トランプ政権が示したリストで対象に含まれていた。

ユネスコなどによると、島に生息しているのはペンギンなどの野生生物のみだ。民主党のある上院議員はSNSで「トランプ政権はこの子に関税を課した」として、ハード島のペンギンの写真を掲載した。
アメリカの経済アナリストであるロバート・カーン氏も皮肉交じりに、「ペンギンが我々より貿易で有利になることを心配していると思う。ペンギンが何を輸出しようとしているか分からないが、あまり深く考えなくてもいいでしょう」とコメントしている。
日経平均が一時1400円超の急落…
このアナリストは、新たな関税のルールを巡ってトランプ政権内で合意できなかったことから、広くカバーする内容のものを打ち出したのではないかと分析している。

また、トランプ関税ショックで日経平均株価が、一時1400円を超えて大幅に下落し、4日は終値でも約8カ月ぶりに節目の3万4000円を割り込んだ。3日のアメリカ市場もダウ平均が1600ドルを超えて急落したが、トランプ氏は強気の構えだ。
トランプ大統領:
活気のある国になるだろう。非常に活気のある国になる。素晴らしい国になる。
トランプ氏はアメリカ経済を「重病患者」に例え、「手術は終わった」と発言した。株価の下落などは一時的なものだとの認識を示すとともに、関税を回避したい国や地域に対しては、関税率の是正やアメリカへの投資などを呼びかけた。
そうした強気な態度について、ラトニック商務長官は3日、CNNテレビのインタビューに対し、「トランプ大統領が関税を撤回する可能性はないと思う」と強調した。
「国難とも称すべき事態」石破首相が直談判か
一方、国内では石破首相が4日午前の国会で「トランプ関税」についてこう評した。

石破首相:
国難とも称すべき事態でありまして、国を挙げて、与野党を挙げて取り組む。
「国難には与野党をあげて取り組む」この言葉通り、国会では4日午後3時半から与野党7党の党首会談が行われた。石破首相は、「今後ともアメリカに対し、措置の見直しを強く求めていく」とした上で、直談判への決意を示した。
石破首相:
私自身がトランプ大統領に直接働きかけていくことが適当であれば、最も適当な時期に最も適切な方法で働きかけてまいる。

立憲民主党・野田代表:
首相自身がトランプ大統領と直談判することが一番大切である。電話会談でもいいから早くやった方がいい。
また各党の党首からは、トランプ関税の影響を踏まえ、強力な経済対策、物価高対策を求める声が相次いだ。
(「イット!」4月4日放送より)