帯状疱疹が、高齢者だけでなく20〜40代にも広がっているという。その要因に、水ぼうそうワクチンの普及で大人の免疫が強まらなくなったことや、疲労などがあげられると医師は指摘する。治療が遅れると、神経痛や顔面の麻痺などが残ることもあるため、早めの受診が必要だ。

疲労・免疫低下で発症急増…

50歳を過ぎたら急増する帯状疱疹が、全世代で増加傾向にある。
日本人の3人に1人が発症すると言われているが、ある理由で若い世代にも増えている。

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東京・中央区にある東京八丁堀皮膚科・形成外科には、痛みを訴える患者の姿があった。

患者(60代):
今朝も痛くて、目が覚めて。

医師:
痛み止めを増やしていこうかなと思います。寝てるのに起きちゃうというのは、かなり生活に支障があると思いますので。

患者(60代):
とにかく寝たいというか、早く寝たいという感じです。

発疹が出てから4日目だというこちらの男性は、眠れないほどの強い痛みに困っているという。

患者(60代):
寝たいんですよね、もう痛いので。寝る努力するんだけど、(痛くて)寝られない。

生活を大きく変えてしまう帯状疱疹の原因は、多くの方が子供の頃に罹った水ぼうそうと同じウイルスで、成人の90%以上の体内に潜んでいると言われている。
普段は潜んでいるウイルスが疲労やストレス、加齢などで免疫力が落ちた時に、活性化して痛みを伴う赤い発疹が生じる。

患者(50代):
結構期末で忙しくて、生活も不規則になってたのと食生活もバラバラだった。

患者(50代):
帰りが(午前)0時近くなったりとか、晩ご飯が(午後)10時11時とか。

こちらの病院では、1日10人近くが帯状疱疹で受診している。年度末の忙しさも大きな要因となっているようだ。

東京八丁堀皮膚科・形成外科 大日方夏美医師:
少し仕事が忙しくなるのをきっかけに(帯状疱疹に)なる方もいますし、子育てですごく忙しいお母さんとかもいらっしゃいます。ほぼ全員の方が、リスクはあると考えて良いと思います。

20代~40代に増加傾向のワケとは

竹俣紅キャスター:
三宅さんも新年度からイット!に加入されて、生活リズムが変わったと思うので心配です。

三宅正治キャスター:
ストレスとかが、原因なんでしょう?僕は、スポーツコーナーでストレス発散しているので。

竹俣キャスター:
疲れていると思っていなくても、もしかしたら疲れる時もあるかもしれませんからお気を付けください。高齢であるほど重症化しやすいということで、この4月から65歳を対象に定期接種が始まっています。
(2025年度から5年間の経過措置として、その年度に70、75、80、85、90、95、100歳になる人も対象となる)

一方で、20代から40代までの世代も増加傾向です。帯状疱疹の大規模調査を行った外山皮膚科の外山望医師によりますと、その理由は、2014年から始まった子どもへの水ぼうそうワクチンの定期接種です。

それまでは子どもが水ぼうそうに罹ることで、家庭内で大人もそのウイルスを体内に取り込み、見えない形で免疫が強化されていました。
ところが定期接種が始まって以降、子どもが罹りにくくなったため、大人の免疫も強化されなくなり、親世代の20から40代の発症率が上がっています。

SPキャスター中村竜太郎さん:
私も水ぼうそうに子どもの時に罹っているので、いつ発症してもおかしくないっていうリスクがありますよね。行政では50代以上の方にワクチンを打ってくださいと推奨していて、中には助成金を出すようなところもあるので、そういうサービスを利用されても良いのではないかなと思いますね。

竹俣キャスター:
自治体によって様々な対応が取られていますので、ご自身の自治体を調べてみてください。

帯状疱疹は、治療が遅れると皮膚の症状は治まっても神経痛や顔面の麻痺などが残ることがある。外山医師によると、ウイルスの増殖がピークを迎える3日以内での治療が望ましく、初期であれば薬を服用することで1週間程度で良くなるので、何よりも早めの受診が大事だ。
(「イット!」4月4日放送より)

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