山形・鶴岡市で調査のため海に潜った県水産研究所の職員が、海底に沈んだ状態で見つかり死亡した。研究所の内規では、原則2人で潜水調査を行うとされていたが、当時職員は1人で潜水をしていた。知事はこの事故を受け、原因を分析したうえで再発防止策を講じるとした。

「調査員が潜ったまま戻ってこない」
4月2日午後5時前、鶴岡市温海の温海海水浴場付近の沿岸で「調査員が潜ったまま戻ってこない」と、県水産研究所の職員から118番通報があった。

酒田海上保安部や消防などが捜索したところ、午後5時半すぎ、男性が海底に沈んでいる状態で発見され、その場で死亡が確認された。
死亡したのは、県水産研究所の職員で鶴岡市の五十嵐大将さん(31)。

研究所によると、五十嵐さんは2日午後2時ごろから、貝類の生態調査のため空気ボンベを装着し、沖合約150メートル・水深約6メートルの海の中で、1人で作業をしていた。
決まった時間に海面に浮上しなかったことから、陸上にいた監視員が118番通報した。死因は調査中だが、目立った外傷はなかった。
規定通り運用されていなかった潜水調査
県職員の死亡事故をうけ、吉村知事は「非常に痛ましく残念でなりません。具体的な再発防止策については、原因を分析のうえしっかりと対応していきたい」と会見で語った。

研究所の内規では、「潜水調査は原則2人1組で行う」としているが、2日は潜水できる人員がほかにいなかったため、陸上の監視員をつけた上で五十嵐さんが1人で調査していたという。
人員不足を理由に痛ましい事故が繰り返されないよう、早急に再発防止策を講じたい。
(さくらんぼテレビ)