アメリカのトランプ政権が輸入する自動車への25%の追加関税を発動し、輸出企業への打撃が懸念されている。新潟県内の自動車部品メーカーも先行きを不安視。専門家は県内経済への影響が少なくないと指摘している。
自動車部品メーカー「関税は非常に脅威」
3日から輸入するすべての自動車とその主要な部品に25%の追加関税を課したアメリカのトランプ大統領。これにより、日本の輸出産業への影響が懸念されている。

自動車のエンジンやモーターなどに使われる部品を製造し、国内の自動車メーカーなどに出荷しているダイヤメット(新潟市東区)の池乘篤部長は「部品メーカー全体だと思うが、関税については非常に脅威に感じている。需要の減少というのが予測される」と今後への懸念を示す。
政府へ「アメリカに与えたメリット強調し交渉を」
追加関税によりアメリカ向けの日本車の輸出が減れば、自社の部品需要も減少することが考えられる。コストカットなどの努力をさらに進め、収益の確保に取り組むとする一方、望むのは関税の引き下げに向けた政府の働きかけだ。
「良質な製品を安価で供給し続けてきているというところで、アメリカに対して与えたメリットというのを強調して(政府には)交渉に臨んでほしい」
自動車産業にとってさらなる逆風も
地域経済に詳しい新潟医療福祉大学の栗井英大准教授は「関税の引き上げにより物価が上がり、アメリカ経済が悪化すると為替は円高方向に進む」と指摘。

自動車産業にとっては、さらなる逆風となることが予想されると話す。
「輸出関連産業にとってはまさにダブルパンチ。関税の引き上げによって輸出数量が落ちる、さらに円高によって不利になるというところで業績の悪化が避けられない」
日本経済全体が悪化する可能性も
そして、その影響は自動車産業だけに留まらないおそれも。
栗井准教授は「裾野が広い自動車産業の業績の悪化が様々な企業のボーナスや雇用の削減につながり、消費が落ち込めば経済全体が悪化する可能性がある」と話す。
「日本にとって自動車産業というのは非常に割合が高い、日本にとって大きな産業なので、仮に企業の売上高・利益が下がって業績が悪くなるということになると、日本経済全体への影響というものが生じる可能性が高い」
日本、そして県内経済への影響は果たして…先行き不透明な状況に不安の声が上がっている。
(NST新潟総合テレビ)