視聴者から寄せられた天気にまつわる素朴な疑問や、珍しい気象現象、知りたいことなどを村田気象予報士がわかりやすく解説する「天気のギモン」のコーナー。今回のテーマは「サクラの標本木に迫る!」。村田光広気象予報士が福井地方気象台で標本木とはどんなものなのか?取材した。
福井地方気象台のソメイヨシノ標本木は?
村田光広気象予報士:
「福井地方気象台に来ています。こちらがソメイヨシノの標本木です。蕾はかなり大きく膨らんでいますが、まだ一輪も咲いていません」
福井地方気象台の敷地内に植えられたソメイヨシノの標本木。2日の時点では、まだ咲きそうなものはなかった。標本木に5、6輪の花が咲けば、“開花”となる。福井地方気象台の職員によると、3月末の暖かさで蕾が一気に膨らんだようだが、4月に入ってからは寒の戻りで成長が少し足踏みしたという。

福井の標本木は“45歳”
開花の基準となる標本木は全国各地の気象台などに植えられている。福井の標本木は1986年に観測を始め、現在は樹齢45年。何度か代替わりをしていて、先代の標本木はというと、実は足羽川堤防に植えられているサクラの木だった。
しかし、どの木が標本木だったのかは気象台でも知る人はいなかった。
標本木は開花発表の指標となることから、できるだけ自然に近い状態が求められ、水やりや木の剪定も最小限に押さえられている。

標本木には“サブ”の存在が
村田光広気象予報士:
「標本木に不測の事態が起きた時のために、標本木から5mほど離れたところには副標本木が植えられています」
気象庁の観測指針であ、副標本木を準備することが定められている。福井では気象台の構内に1本が植えられていて、陰ながらサクラの開花発表を支えている。
ちなみに副標本木が咲いても、開花発表とはならない。あくまで標本木に不測の事態があった時のための、知られざる“スーパーサブ”という存在だ。
気象台にはサクラ以外にも植物の標本木があり、職員が観測を行っている。ウメ、アジサイ、ススキ、イチョウ、イロハカエデなど、季節の進み具合や長期的な気候の変化を把握する上での情報になる。

今シーズンのサクラの見頃は?
福井県内では、すでにサクラが咲き始めている所もあり、近く開花発表があるかもしれない。
ウェザーニューズの満開予想では、福井市の足羽川桜並木が4月8日、鯖江市の西山公園が4月8日、敦賀市の金崎宮が4月9日、小浜公園が4月9日、勝山弁天桜が4月12日となっている。
