「4225」。 これは4月から値上げとなる食料品の数だ。このほかJRや路面電車の運賃、電気、ガスの料金をはじめ、行楽地の入園料も上がった。この春は「値上げラッシュ」が家計を直撃しそうだ。
花見の出店も価格高騰で市民の嘆き
長崎市の桜の名所・立山公園。

桜を眺めながら食事を楽しむのが花見の醍醐味だが、花見客からは「出店の金額も上がっている」「今までは何個かずつ買っていたが、1個ずつにしとこうかなと」と、ここでも「値上がり」を危惧する声が聞かれる。さらに…

「やっぱり今一番米が困る。どこに行っても高い!ちょっとでも安くなれば」と、米の価格高騰が家計を苦しめている。
4月からの値上げは4225品目
花見にも押し寄せる食料品の値上げの波。

帝国データバンクによると、4月から4225品目の食料品が値上がりする。「原材料費や物流費などの上昇」が主な理由だ。値上げする品目が4000を超えるのは2023年10月以来、1年半ぶりとなる。

分野別では調味料が最も多く2034品目、酒類・飲料が1222品目、加工食品が659品目などとなっている。
「割引クーポン」や「期間限定値下げ商品」で対応
長崎市のゆめタウン夢彩都でも、1日から約1000品目が値上げとなった。

加工食品売り場では、調理によく使うカレー粉や食用油が20~30円の値上げ。主力商品と呼ばれる調味料関係は、ほぼ値上げとなる予定だ。

ビールやチューハイなどの酒類は最大で10%ほどの値上げとなった。 ゆめタウン夢彩都加工食品主任の山路樹大さんは「米も週ごとに値段が上がっている。日常で使用する食品なので、少しでも1円でも安く客に何かしらで還元できるよう努力したい」と話す。

値上がりは4月以降も続く見込みで、こちらの店舗ではアプリによる割引クーポンの配布や期間限定で値下げする商品を増やすなど対応している。
長崎市民の足・路面電車も大人150円に
負担が増えるのは食料品だけではない。

市民の生活の足も値上げとなった。

長崎電気軌道は1日、路面電車の運賃を10円引き上げ、大人150円、子供80円となった。通勤・通学定期も対象で、通勤定期は400円上がり6030円だ。運賃の引き上げは2021年10月以来、3年半ぶり。
観光客は「世の中の物価が上がっているので10円くらいは妥当だと思う」と致し方ないという声が聞かれる一方、通勤客からは「10円だが毎日使うものなので、ずっと使ってたら最終的に響く」と、この値上げは市民の足にとっては痛い。

JR九州も1日から普通運賃や定期券、長崎・佐世保間の「2枚きっぷ」など一部の割引きっぷを値上げした。

平均で約15%上がっていて、長崎からの普通運賃は浦上までが200円、長与までが270円、諫早までが560円などとなった。通勤定期も長崎ー諫早間で4090円アップして1万8560円になるなど、大幅な値上がりとなった。
長崎電気軌道とJR九州ともに、値上げの主な理由に「物価高騰による経費の増加」を挙げている。
日用品に電気ガス、行楽地の入園料も値上げ
春の値上げラッシュはこれだけではない。

日々使うティッシュやトイレットペーパーなども価格が上がる。大手各社は4月以降の出荷分からの値上げを発表していて、現在より10%以上高くなるという。
電気とガスの料金も政府の補助金がなくなるため、4月の検針分から標準家庭で電気が450円ほど、ガスが180円ほど負担が増える見込みだ。
長崎バイオパークも1日から入園料をそれぞれ200円引き上げ、大人は2100円、3歳~小学生は1100円などとなった。
長崎バスは路線バスの運賃引き上げを3月31日、国交省九州運輸局に認可申請したと発表した。認められれば2025年9月に運賃が改定される。
どこまで続くか分からない値上げの波は、私たちの生活にしばらく影響を与えそうだ。
(テレビ長崎)