路線バスの減便が相次ぐなか、札幌市とバス会社などが外国人運転手の受け入れ体制を整備する協定を結んだ。
早ければ3年後の誕生を目指している。運転手不足解消の切り札となるか?
路線バス運転手に外国人 2028年度の業務開始目指す
3月26日、札幌市と「じょうてつバス」などが路線バスの運転手に外国人を受け入れるための連携協定を結んだ。
4月にミャンマー人留学生数人を受け入れ、2028年度からバス運転手としての業務開始を目指している。

バス会社は運転手不足 札幌エリアなどで4月から大幅減便
「減便・路線廃止で、利用者に迷惑や負担をかけていることを申し訳なく感じている。外国人材をバス運転手として採用し、運転手確保につなげていきたい」(じょうてつ 高木 克典 社長)
バス会社は運転手不足に苦しんでいる。札幌エリアなどの平日の路線バスは、4月のダイヤ改正であわせて約500便が減便。

ドライバー不足解消のカギは“外国人運転手”?
深刻化する運転手不足解消のために進められているのが、外国人運転手の受け入れだ。
岡山県の会社のグループ企業では、すでにインドネシア出身者が観光バスの運転手としてデビューすることが決まっている。
外国人労働者の在留資格『特定技能』に2024年、新たに「自動車運送業」の分野が追加されたが、その試験に初めて合格したのだ。

協定締結により、外国人バス運転手の受け入れ体制を整えていく札幌市の秋元克広市長は―
「すでに留学生もいるし、外国籍の働いている人もたくさんいる。一般的になっていけばいいと思う」(秋元 克広 札幌市長)

外国人労働者受け入れには市民の理解が不可欠
外国人労働者の受け入れについて詳しい専門家は、市民の理解が不可欠だという。
「受け入れ企業だけが生活支援をすればいいという話ではない。地域でも大事な人材として、生活者として受け入れる雰囲気の醸成が大事」(北海学園大学 宮入 隆 教授)
将来にわたる運転手の確保については。

「足りない部署に外国人を補填したということではなく、日本人も含め働きやすい環境になり人が来てくれるのか、各業界で考えていかなければいけない時代になっている」(宮入教授)
外国人労働者の採用が、運転手不足解消の糸口となるのか。
