全国トップクラスの跳躍力と確かな技術を武器に、バレーボールの最高峰SVリーグに挑戦する選手がいる。
高校時代に愛媛県大会で互いを高め合った親友とは、プロの世界でも再びライバルに。
愛媛で培った実力と経験を胸に、日本一、そしてオリンピックという大きな夢に向かって歩み始めた、地元が誇る若きバレーボール選手の挑戦に迫る。

松山東雲高校出身の北川美桜選手
松山東雲高校出身の北川美桜選手
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299センチの跳躍力で魅せる愛媛のエース

松山東雲高校は2025年1月に開催された春高バレー全国大会に2年ぶりに出場した。ベスト16に進出したチームをエースとして牽引したのが、2025年春に同校を卒業した北川美桜選手だ。ミドルブロッカーとして活躍する北川選手の最高到達点は、全国トップクラスの299cm。その高さを生かし、憧れのオレンジコートで躍動した。

北川選手は「あのコートでしかできないワクワク感やプレイ中の楽しさ、負けたら終わりというプレッシャーを背負った中での試合でしたが、それが余計にバレーボールを楽しくさせてくれた」と全国の大舞台での経験を振り返る。

名古屋市出身の北川選手は母親のふるさとでもある愛媛の松山東雲中学へ進学。中学3年生では愛媛選抜としてJOCジュニアオリンピックカップで全国準優勝し、高校でも2年生の時、19歳以下の世界選手権で4位に入賞するなど、毎年、世代別の日本代表に選ばれてきた。

常に注目を浴びながら成長を続けた愛媛での6年間で、相手のブロックやレシーブの位置を見てスパイクのコースを打ち分けるなど点を取るコツを会得し、試合に強い「真のエース」へと進化を遂げた。松山東雲の星加輝監督は「大事なところでは私も北川にトスを上げるかなと思いますし、ここぞという勝負強さというのは感じられる」と評する。

北川美桜選手
北川美桜選手

Vリーグ以上の最高峰リーグへの挑戦

Vリーグでブロック賞も獲得した名選手である父・祐介さんの後を追うように、北川選手は高校卒業後、地元・愛知県を本拠地とするSVリーグのクインシーズ刈谷に入団した。各国の代表クラスがひしめく最高峰のリーグの中では、177cmの身長は小柄な部類に入る。

しかし気持ちで負けることはない。北川選手は「やっぱり外国の選手は高さがすごいあると思うので、高さで勝ることはできないけど、その分細かいところの技術や、スピードとかそういうところで外国人選手に勝っていけるように頑張りたい」と意気込む。

SVリーグ クインシーズ刈谷に入団
SVリーグ クインシーズ刈谷に入団

親友であり最高のライバル

このSVリーグには愛媛からもう1人、今治精華高校から185cmのミドルブロッカー、矢田和香選手がヴィクトリーナ姫路へ入団した。同じポジションの親友でもあり、毎年、愛媛県大会決勝の舞台で戦った最高のライバルだ。

北川選手は「和香の高いブロックがあるからこそ真っ向勝負だけじゃなくて技術を使った攻撃というのもすごく意識して練習できたし、和香がいたから意識高くできたところはすごくあると思うので、高め合っていけたいい存在だと思います」とライバルの存在が自身の成長に欠かせなかったことを語る。

愛媛で学んだバレーボールを礎に、広い世界を見据える北川選手が胸に秘める言葉は「挑戦」だ。「まずは試合に出てそのチームの勝ちに貢献できるように頑張ることと、SVリーグではここ(高校)で取れなかった日本一を取りに行きたいと」と抱負を語る。さらに「リーグで優勝して、日本代表に選ばれて、オリンピックでプレーする」と、大きな夢も明かした。

チャレンジを恐れず常に進化を求める愛媛のエースが「日本のエース」を目指して大きく羽ばたく。

親友であり最高のライバル 矢田和香選手はヴィクトリーな姫路へ入団
親友であり最高のライバル 矢田和香選手はヴィクトリーな姫路へ入団
テレビ愛媛
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