「1年目は北京五輪から1カ月後の世界選手権だったので、疲労や燃え尽きみたいなものもあって、優勝できたけど大変でした。2年目はその影響を引きずって、シーズン前半は自分の思うような成績が出せなくて、でも埼玉である世界選手権だから『絶対に出る!』という気持ちがあって、なんとか取り戻して出ることができた。一つ乗り越えられた世界選手権だったかな」

続けて「去年は直前にインフルエンザになって練習が全然できなくて、なのに出発が早かったので1週間ちょっとしか神戸で練習ができなかったけど、そこまで追い込めたのもインフルになって休んで気持ちも体も1回リセットすることができたから。ここからは本当に上がるしかない、と練習もすごく楽しくて充実していて、過去2回と比べものにならないくらい楽しかった。ショートでミスがあったけど、ショート終わって初めて『あー、楽しかった』って言ったんです。それくらい楽しんでいた世界選手権でした」と2024年は楽しめた大会だったと話した。

そして「66年ぶり、4連覇達成を目指していますか?」という本田の問いに坂本は、今の率直な気持ちを話す。
「全日本も4連覇がかかっていたけど、あえてそこに目標を置きすぎないでやっていたら、自分らしい演技ができなくて。そこに挑む姿勢は大事だと気づいてからは、世界選手権はしっかり目指そうと気持ちが変わり、避けずに“4連覇”を掲げています」

年末の全日本選手権で優勝したあと、66年ぶりの大偉業へ「絶対勝ちたい」と力強く言い放っていた。
そんな坂本には、ある心境の変化があった。