鹿児島のクイズが詰まった本、「みんなの鹿児島クイズ」が好評だ。かわいいイラストでわかりやすい内容の一冊を美川愛実アナウンサーが取材した。制作のアイデアは意外な所で生まれていた。その秘密をひもとく前に、実際の問題を見てみよう。

見やすい年表
見やすい年表
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それでは早速第1問。

Q.1  今からちょうど50年前(1975年)のできごとはどれ?

・太陽国体開催
・鴨池ダイエーオープン
・鹿児島市立病院で全国初の五つ子誕生

答えは、2024年惜しまれつつ閉店した「鴨池ダイエー」がオープンした年。

順に並べると以下となる。

1972年 太陽国体開催
1975年 鴨池ダイエーオープン
1976年 鹿児島市立病院で全国初の五つ子誕生

2015年にイオン鹿児島鴨池店となり2024年8月に閉店
2015年にイオン鹿児島鴨池店となり2024年8月に閉店

企画当初の58問から307問に

鹿児島の“むかし”と“新しい”が詰まったクイズの本、その名も「みんなの鹿児島クイズ」

問題を制作した鹿児島市出身のフリーライター、奥脇真由美さんは「最初は58問。さくっと作ろうと思っていた。せっかくだからいろんなジャンルを入れようということで、『これは時間かかるぞ』と思った」と、当初のエピソードを語る。

奥脇さんはこれまで観光ガイドブックやパンフレットを手がけ、今回初めて本を発表した。絵を担当したのは、鹿児島市在住の美術作家で、現代アート作品を手掛ける、さめしまことえさんだ。

かわいいイラストがいっぱい
かわいいイラストがいっぱい

企画した当時は58問だった問題は、307問に。

約15ページのイラストだけで、机がいっぱいになるほどだ。

クイズは鹿児島弁から郷土料理、歴史など9つのジャンルに分かれ、中には「鹿児島の岩コレクション」というマニアックな問題もある。

マニアックなページも
マニアックなページも

そんな数ある鹿児島クイズの中から、動物に関するクイズを2問紹介しよう。

鹿児島の動物園といえば現在は鹿児島市の平川動物公園だが、昔は鴨池に動物園があった。ちなみに冒頭の問題の答え「鴨池ダイエー」がつくられたのは鴨池動物園の跡地だ。ここで問題。

Q.2  鴨池動物園は、日本で何番目にできた動物園?

1番:日本初
2番:2番目
3番:3番目
4番:4番目

取材した美川愛実アナウンサーは「関東に一気にできていそうなので・・・4番目!」と答えた。

鹿児島は東京、京都、大阪に続いて日本で4番目に動物園が開園した。したがって美川アナウンサー、正解!

見事難問に正解の美川アナウンサー
見事難問に正解の美川アナウンサー

 Q.3  昭和31年に鴨池動物園から鹿児島市役所まで象が歩くイベント、何分何秒かかった?

1番:43分21秒
2番:51分29秒
3番:90分00秒
4番:123分45秒

癒やされるかわいいイラスト
癒やされるかわいいイラスト

美川アナウンサー:象だとこのくらい(象の歩行を手でイメージしながら)ですよね。うーん、1番?奥脇さん:正解は・・・2番の51分29秒です。

当時の新聞によるとこのイベントは新聞社と時計店などの組合が、「時間を正しく守ろう」と呼びかけるため実施された懸賞クイズだったそうだ。

続いて鹿児島のシンボル、西郷どんに関するクイズ。

Q.4 西郷どんの推定身長は?

1番:178cm
2番:185cm
3番:198cm
4番:202cm

鹿児島といえば、西郷どん!

美川アナウンサー:じゃあ、2番の185cmで!お願いします。

奥脇さん:不正解です。正解は1番の178cmです。

美川アナウンサー:そうなんですね・・・。もっと大きいイメージでした。

Q.5 西郷どんが苦手だったことを2つ選んでください

1番:お酒を飲む
2番:味噌をつくる
3番:剣術
4番:狩り
5番:わらじを編む
6番:温泉

美川アナウンサー:これは...2番と6番で、お願いします。

奥脇さん:正解は1番「お酒を飲む」と、3番「剣術」の2つです。

西郷さん、お酒は全く飲めないわけではなかったが苦手だったそうで、剣術の方は少年時代にケガをして断念したとのこと。

意外に少々嗜む程度だった!?
意外に少々嗜む程度だった!?

お年寄り向けの脳トレ問題が始まり

5年がかりで完成したというこのクイズ本。きっかけは意外な場所にあった。

「認知症の人たちに、思い出がよみがえるようなクイズを出せたらなと思って」と話す奥脇さん。実は奥脇さん、認知症の祖母を亡くした経験から介護を学び、高齢者福祉施設で働いていて、認知症の高齢者向けに作った脳トレーニングの問題がクイズ作りの始まりだった。

大きめの文字や、見やすさにこだわったページは介護士の奥脇さんならではの優しさだ。

「(鹿児島は)南の端っこですけど、地理的に厳しい状況でも頑張ってきた。そういうのをしみじみ感じて、今までつないでくれた人たちに感謝の念が湧いて。すごいなと思った」と奥脇さんは話す。

問題を制作した奥脇真由美さん
問題を制作した奥脇真由美さん

絵を担当するさめしまさんは「みんなが集まる場で活用してほしい一方で、一人ひっそりと家で楽しんで、にこにこニヤニヤしながら見てほしいという気持ちと2つあります」と、本の活用法について語った。

イラストを描いたさめしまことえさん
イラストを描いたさめしまことえさん

誰かに教えたくなる鹿児島がたくさん詰まったクイズ本。

その一冊には世代を超えて楽しんでもらうための思いやりも、こもっている。

(鹿児島テレビ)

鹿児島テレビ
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