全国の高校生による国内最大規模の芸術文化活動の祭典『全国高等学校総合文化祭』。2025年7月に香川県で開催される大会に、秋田市の秋田令和高校書道部が参加を予定している。部員は少ないながらも、ほかの部との合同パフォーマンスや地域の祭りへの参加など、意欲的に活動する部員たちを紹介する。
部員数6人の書道部 新たな挑戦
放課後の教室で筆を走らせている生徒たち。秋田市の秋田令和高校書道部の部員だ。

部長の山岡羽希さんは「書道部は6人しかいないが、6人なりに和気あいあいと楽しく活動している」と話す。
秋田県高校総合美術展での特賞を目指して日々練習に取り組んでいる書道部員だが、新しいことにも挑戦している。

書道部と合唱部が一緒に取り組む“書道パフォーマンス”だ。書道を多くの人に楽しんでもらおうと企画した。山岡さんは「2つの部活が団結して作品をつくったときに達成感を感じる」という。

さらに2024年は、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている秋田市の土崎港曳山まつりで、山車を彩る札の文字入れを任された。

「オファーをもらい実際に書かせてもらったが、伝統的な祭りに参加できたことが思い出」と山岡さんは振り返る。
書道歴15年の部員が全国総文祭へ
年々活動の幅が広がっている書道部の中で、2025年7月に香川県で開催される全国高校総合文化祭『かがわ総文祭』に県代表として参加する部員がいる。

2年生の成田華(いちか)さんだ。取材に訪れた日も、かがわ総文祭に提出する作品の練習をしていた。成田さんは2024年も県代表に選ばれていて、2年連続の総文祭出場だ。

滑らかな筆さばきを見せる成田さんは、幼少期から書道が身近にあった。書道を始めたのは3歳からで、地元の大潟村に書道塾があり、書道を習いたいと興味を持ったことがきっかけだったという。
書道歴15年の成田さんは「書いていて楽しいし、墨の香りが落ち着く」と書道愛にあふれている。
文字への意識が変化 目指すは入賞
2024年に行われた県高校総合美術展の書道部門で特賞を受賞した成田さんの作品。

繊細ながらも力強さを感じる。作品のポイントを尋ねると「文字のうねりを意識して書いている」とこだわりを語ってくれた。
“心を映す”とされる書道。一文字一文字、丁寧かつ大胆に表現している。

2月には、かがわ総文祭に参加する生徒が集まって講習会が開かれた。
他の学校の先生や仲間からアドバイスをもらい、一層の成長につなげる成田さんは「椿という字の木と春の間隔を意識するようになった」と意識の変化を感じている。

目指すはかがわ総文祭での入賞。成田さんは仲間たちと楽しみながら、大好きな筆を走らせる。
(秋田テレビ)