住友生命保険の山形・新庄支部に勤務していた50代の元女性職員が、顧客にうその投資話をもちかけ、現金をだまし取っていたことがわかった。
ほかにも顧客に消費者金融のカードを作らせて現金を不正に引き出すなど、被害額は計数千万円に上るとみられるが、会社は未だ全容をつかめておらず調査を進めている。

10年間で数千万円・明らかに詐欺
複数の関係者によると、顧客から現金をだまし取っていたのは、住友生命保険山形支社の新庄支部に在籍していた50代の元女性営業職員。
元職員は新庄支部で15年近く保険営業に携わってきたが、2015年11月から「高金利の預金枠がある」などと顧客にうそを言い、2024年8月までの約10年間で約1300万円をだまし取っていた。
被害額は計数千万円に上るとみられている。

2024年夏ごろ、不審に思った顧客の申し出で不正が明らかになり、元職員は事実を認め、2025年1月末日付けで退職している。
被害に遭った新庄市の男性は、元職員から「いまなら『特別枠』で預金ができる。数年後には必ず増やして返す」などと持ちかけられ、数百万円をだまし取られていた。

男性は、「明らかな詐欺事件であり、会社が警察沙汰にしなければ自分が告訴する」と話している。
消費者金融のカード作らせる手口も
うその投資話のほかにも、元職員が複数の顧客に「消費者金融のカード」を作らせ、現金を不正に引き出していたことが、関係者の証言でわかった。
最上地域に住む女性は、「20代のころ、元職員に『カードを作るノルマがあり、5万円の手数料を払うから』と言われ作った。利用されるとは思わなかったが、数十万円を引き出されていたことが後でわかった」と話している。

元職員は、住友生命の顧客以外にも声をかけていたということで、他人名義のカードを使って不正に引き出された現金は100万円を超えるとみられている。
会社は被害の全容把握に全力
元職員の顧客は数百人規模で、会社は3月にお詫びの文書を送付し、被害の全容の把握と被害金の弁済を進めている。
また、元職員のカードの不正利用についても把握していて、17日、新庄警察署に対応について相談している。

住友生命保険山形支社は、「被害に遭われた方には深くお詫び申し上げたい。被害者の数や被害額の把握に全力を挙げ、適切に対応していきたい」とコメントしている。
(さくらんぼテレビ)