2020年7月豪雨で被災し、いまなお一部区間で運休が続くJR肥薩線について、熊本県と沿線自治体の間で、八代駅から人吉駅までにある15の駅のうち、3つの駅を廃止する案が浮上していることが関係者への取材で分かった。
廃止案の瀬戸石駅・海路駅・那良口駅
豪雨で被災しいまなお一部区間で運休が続くJR肥薩線については、国・熊本県・JR九州の3者による検討会議で、鉄道での復旧に基本合意している。

その一方で、JR九州は「まちづくりに合わせて駅の位置や数は変わる可能性がある」との考えを示していて、熊本県も日常利用やコミュニティー維持につながる『拠点性』と、地域の活性化につながる『にぎわい創出』に重点を置き、再整備を進める考えを示している。

関係者への取材で、熊本県と沿線自治体の間で、八代駅から人吉駅までにある15の駅のうち、八代市の瀬戸石駅、芦北町の海路駅、球磨村の那良口駅の3つの駅を廃止する案が浮上していることが分かった。
被災前に1日当たりの利用者が1人以下
この3つの駅は被災前の利用客が1日当たり1人以下と少なく、復旧後も『拠点性』と『にぎわい創出』の点で需要が見込めないと判断したとみられている。

木村知事は「始点と終点以外の13の駅全てについて、どういう方向でいくか議論しているところ。特定の結論を出しているわけではない。廃止も移設も含めて、13の駅がどうあるべきか各市町村と相談している」と述べた。

熊本県は今後、地元12市町村でつくる再生協議会で、駅の復旧・廃止の合意を得た上で、国とJR九州との検討会議を開き、2024年度中の最終合意を目指している。
(テレビ熊本)