近年、国民生活センターに寄せられる相談で、増加傾向にあるのは「偽物の化粧品」に関する事柄。相談件数は、ここ5年で約4倍に膨れ上がっているといいます。

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偽物の流通に伴い、大手化粧品メーカーの資生堂もホームページでも、「インターネット通信販売サイトやフリーマーケットサイトを中心に模倣品が流通していることが確認されました」と注意喚起する事態となっています。

街で普段から化粧品を使っている人たちに話を聞いてみると、「実際に偽物を購入してしまった」という声が…。

23歳女性:
自分の場合は「まつげ美容液」を買って偽物だったので、目に入って大丈夫な物かどうかが、偽物の場合心配ではあります。

こちらの女性がネット通販で購入したのは「エマーキット」という「まつげ美容液」。正規品の定価は6600円のところ、5600円で購入できたといいます。

23歳女性:
パッケージの色がちょっと違ったというのが、ネット(通販)では気付かなくて、現物を見て(偽物だと)気付いたので。

まつげ美容液「エマーキット」のメーカーである水橋保寿堂製薬は、偽物について「製造番号入りバージンシールのない商品は、違法製造された製品である可能性が高いため健康被害の恐れがございます。失明・炎症・アレルギー症状が起きる可能性が高いため、正規品以外のご利用は絶対にしないでください」と注意喚起を行っています。

実際にホームページに掲載されている、本物と偽物の写真を見比べると、記載されているアルファベットや書体、文字の行間が異なっていたり…。

底面のシールに記載している文字も、本物が枠のギリギリに印刷されているのに対して、偽物はかなり内側になっていることが分かります。

手元に正規品をひとつ置いておく

誤って偽物を買わないためには、どうすればいいのか?
化粧品製造販売業の商標などに詳しい、ファーイースト国際特許事務所、所長弁理士の平野泰弘氏に詳しく聞きました。

――なぜ近年相談件数が増えてきたのでしょうか?
平野泰弘氏:

化粧品は毎日必ず消費するということで、狙われやすい要素があると思います。

平野氏によると、偽物・模倣品を買わないためには、以下の事柄に気をつける必要があるといいます。

・本当に正規品かどうか写真や実物を見せてもらい確認する
・商品価格が他と比べて安すぎないか確認、大幅な値下げには警戒
・多くの支払い方法に対応しているか?銀行振り込みしか選べない場合は要注意
・購入後の返品はできるか

さらに、模倣品を売っている業者はモラルがないことが多く、購入時の個人情報が悪用されてしまうリスクも。

――誤って偽物を手にしてしまった場合どうすればよいですか?
平野泰弘氏:

一度手にしてしまうと、破棄する以外にないのが実情ですので。個人ではなかなか救済されませんので、だからもう安い物は買わない、正規品を買うということを徹底していただくと。
一つ言えるのは、必ず正規品を置いておくということです。これはもういたちごっこなので、これが正規品ですよと目印をみんなに教えたとしても、それをまねしてくる、どんどん進化してくるので、こちらも自衛上正規品を手元に置いてそれと比較することでどうかと判断する以外にないと。でも、もちろん消費者センターや弁護士に相談するのもありますが、買ってしまった物は救済されませんので。きちんとHPを確認する、正規の業者から買う、自分の持っている本物と比べる。それからもうひとつ、利益を取るために安物が入っているはずですから、匂いが違うとか、濁っているとか何か正常と違う物があると思いますから、それがポイントかなと。

鈴木おさむ氏:
僕はネットでよくものを買うのですが、正規のメーカーに在庫がなくて、出品者から出ていたときに、どうしてもそれがほしくて買ったときに、びっくりするような商品が届いて、はっと思ってもう一度見直したら、出品者の評価が高くなかったんですよ。
出品者の評価というのは結構あるじゃないですか、そのときはそこまで見ていなかったのですが、よく見るとちゃんとメッセージがあったりするので、ネットで買うときもメーカーからじゃなく出品から買うときは、出品者をチェックすることも大事だなと思いました。
(めざまし8 3月18日放送)