石破茂首相の、新人議員への“10万円商品券配布問題”

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会食に先駆けて、1回生議員15人に渡された1人当たり10万円分・計150万円分の商品券について、石破首相は“ポケットマネーで用意したもので違法性はない”と繰り返していますが…、法的な問題と共に問われているのは、国民との“感覚のズレ”です。

立憲民主党 岸真紀子参院議員:
例えポケットマネーから捻出したとしても、10万円という額、社会通念上の“お土産”の範ちゅうを超えています。

石破茂首相:
ハンカチでも買ってね、お菓子でも買ってねという思いでございましたが、その金額が一般の常識とかけ離れているというご指摘は、それは大変申し訳ございません。

「めざまし8」のメインキャスターを務める、谷原章介も、会食前に秘書を通して議員事務所に「お土産」として届けられたことに違和感を覚えます。

MC谷原章介:
お土産ってさ、会を催された後に、帰りにもらうじゃない?会の前に事務所に届けられるってお土産なの?
石破さん本人が行ってお土産ですって渡すなら…まぁそれも正直分からないですが。

倉田大誠アナウンサー:
確かに、一般感覚だとそこも疑問だなと。

MC谷原章介:
首相の公邸で、政府の官房長官が出て、私的なパーティーって、感覚的には政治活動にしか見えないのですが?

橋下徹弁護士:
いくら本人が政治活動ではないといっても、外形的に見なくてはいけないと思います。
僕は、政治家同士のコミュニケーションは全部政治活動だと経験上思っていますから、政治活動ではないというのは全く釈明にならないのと、一番重要なのはお金の出どころなんです。今まで石破さんは、お金を渡すとかそういうことをしなかった人なんです。それが首相になっていきなりやれるということは、普通に考えればものすごくお金が使えるようになったと。石破さんは否定していますが、官房機密費、政策活動費、総裁の経費もありますし、莫大なお金が領収書なく使えるような状況があるから、何に使ったか検証のしようがないんです。領収書がないお金の問題点が凝縮しています。

「永田町の文化になっている」

フジテレビ政治部デスクの髙田圭太氏によると、会食などで「商品券」を配ることが、永田町で“常態化”していたのではないかといいます。

政治部デスク 髙田圭太氏:
きのう、石破さんと地元が同じ鳥取の議員が「これまで歴代総理もやっていたことを石破さんもやったのに、こんなに問題になっている」という言い方をしているくらいですから、総理によって多少いろんなパターンはあったと思うんですけども、これまでもあったことは間違いないと。
原資については、最初から石破さんが今回かかったすべてのお金をポケットマネーだけで出そうとしていたと思っている人は、永田町にはいないと思います。ただ、問題になったので最終的にこれはポケットマネーで処理されると思いますが。

長谷川ミラ氏:
私たちが想像している以上に霞が関では、国会議員の関係性とか派閥に入るのが重要という文化があるということですか?

橋下徹弁護士:
石破さんが批判を受けていますけど、これが「ザ・永田町」の感覚ですよ。国会議員の感覚なんですよ。
1万5000円の食事も、普通に15人におごるとかおごられるとか、10万円の商品券というのも、もっと言えば年間10億円の政策活動費、幹事長は数百万、場合によっては選挙の時には1000万円単位で現金を渡していくような世界です。
僕も現認していますけど、贈り物がすごいんです。いわゆる国会対策委員という人たちは飲み食いだけでなく贈答品。予算が成立すれば、ねぎらい、ありがとうございますとの慰労、それが全部、永田町の文化になっていてこうなっている。
僕が「飲み食い政治をやめろ」って言うのはそういうことで、本当に細かなルールなき飲み食い政治が当たり前になってくると、10万、20万、30万渡すことも平気になってしまうのが永田町なんです。

長谷川ミラ氏:
経費というのは、国民の税金だというところを、もっと認識を強く持ってもらいたい。仮に領収書を切っていたとしても。

橋下徹弁護士:
やはり、領収書を出さないということは、こういうことになるんですよ。

――助言をしてくれる人が石破茂首相の近くにいなかった?
政治部デスク 髙田圭太氏:

石破さんの周囲には官僚などがいて、政策的な助言を受ける環境は整っているのですが、これは政治家同士の付き合いの話ですよね?となるとなかなかいなくて、石破事務所でベテランの秘書が辞めたりとか、そういう事情もあって、危機管理を一手に担う政治家としての危機管理をアドバイスできる人は残念ながらあまりいないのが、石破さんの実情ですね。

橋下徹弁護士:
“心付け”だからいいかというとそうではなくて、例えば公立の病院なんかはどんな理由があったとしても医師はお金を受け取ってはいけないとか、どこの組織にもお金の使い方のルールがあるのに、唯一全くそのルールがないのが国会議員なんです。どれだけの額を誰にどう使おうが領収書をもらわなくても自由。こんな馬鹿げた連中が国家を運営するなんて僕はあり得ないと思いますけどね。
(「めざまし8」3月17日放送より)