2024年に刑法犯で検挙された20歳未満が2万人を超え、3年連続で増加しました。路上強盗で検挙された高校生が大幅に増え、校内暴力やいじめが原因となった事件も増えています。
警察庁によりますと、去年1年間で刑法犯で検挙された20歳未満は2万1762人にのぼり、3年連続で増加し、2019年以降で最多となりました。殺人などの凶悪犯を含む、全ての罪種で前の年より増加しています。
▶強盗
「強盗」の検挙数は467人で前の年から約4割増で、過去11年で最多となりました。
「強盗」の手口別では、路上で通行人に暴行し現金を奪うなどの路上強盗が前の年から約9割増えています。
路上強盗で検挙された人の年代別では高校生が増加が顕著で、前の年から2倍以上増え77人にのぼっています。
▶「いじめ」原因の事件 過去最多
いじめが原因の事件や、いじめの仕返しによる事件は377件で、検挙数は457人にのぼり過去10年で最多となりました。
事件別では、暴行が132件で最も多く、その次に多かったのは、他人の裸の写真をSNSで拡散するなどの「児童ポルノ」48件で、SNSなどインターネットを使った事件も増加傾向にあります。
校内暴力事件も前の年から2割近く増え、教師に対する暴力事件も小中高校すべてで増加し、2018年以降で最多でした。
▶広がる薬物
大麻所持などによる検挙は1128人にのぼり、前の年よりやや減ったものの、過去2番目に高い数字でした。検挙者の内訳では、有職少年が全体の約半数を占め、高校生も約2割を占めています。
また、コカインや合成麻薬MDMAでの検挙も176人にのぼり、前の年から5割以上増え過去10年で最多となりました。
▶特殊詐欺
ミャンマーで少年が特殊詐欺に加担させられるなどの事件が明らかとなる中、特殊詐欺で検挙された20歳未満は425人でした。
検挙者のうち約7割が「受け子」で、そのうち半数以上は「知人などの紹介」がきっかけで加担し、約3割は「SNSからの応募」でした。
一方、20代や30代は5割近くが「SNSからの応募」などをきっかけに特殊詐欺に加担しているということで、警察庁は「少年に対しては、知人からの誘いに気を付けるよう広報啓発する必要がある」としています。