突然の閉園発表だ。
札幌市南区の民間の動物園ノースサファリサッポロが9月末で閉園すると発表した。動物たちはどうなるのだろうか。
突然の閉園発表

突然の発表だった。3月10日昼ごろ、札幌市南区の民間の動物園ノースサファリサッポロのホームページで9月末での閉園を発表した。
一体、何があったのだろうか。

「まもなくヘビの首まき体験、ふれあい体験が始まります」(ノースサファリのスタッフ)
これは3月9日の園内。動物のえさやり体験などが普段通り行われ、訪れた人によると、今後についての情報はなかったという。
札幌市による行政指導と対応

ノースサファリサッポロをは、開発が制限される市街化調整区域に、20年ほど前から無許可で飼育小屋などを建て営業を続けていた。
札幌市はすべての建物156棟について撤去を求める行政指導を行っていて、園側は2029年末までに撤去する計画を提出していた。

取材では市のさまざまな指導に対し園側が強い態度で抗議していたことも明らかになっている。
3月10日示された9月末での閉園方針。
来園者は。
「9月までに動物が保護できればいいけどできなかった時にどうするんだろうと思う」
「動物と近くで触れ合えるところだったので、無くなるのが悲しい」(いずれも来園者)
動物たちはどうなる?

心配されるのは、150種500匹にものぼる動物の行方。
園側はホームページで、順次動物たちの移動を進めていると発表。大型動物についても、受け入れ先の準備が整い次第移動させていくとしている。
実際に可能なのだろうか。

札幌市円山動物園で参与を務める小菅正夫さんは。
「すでに飼育スペース自体ほぼ埋まっている。そこに新たなものを入れるのは非常に難しいし、ノースサファリの責任者は動物に責任をもっているということを自覚しているなら、大変だからやめる選択肢はない。飼って天寿をまっとうさせるしかない」(札幌市円山動物園 参与 小菅正夫さん)
閉園発表で今後どうなる?

閉園発表について、園側は次のように説明している。
■法令上の問題を重く受け止め閉園
■閉園予定は2025年9月末
■動物の移動を進めているが時間を要し、その間の飼育費やスタッフの雇用を維持
■大型動物は受け入れ先の準備に期間を要し、準備が整い次第移動

札幌市の秋元市長はコメントを発表した。
「確実に建物の撤去を進めてもらう」とこれまでの札幌市の対応を語ったうえで「動物の受け入れ先等の確保に努めるよう指導する」と明かした。

札幌市円山動物園で参与を務める小菅正夫さんは、次のように話している。
■9月末までに移動先を見つけてほしいが厳しいだろう
■受け入れ先の動物園にはスペースに限りがある上、複数年単位で考えられた飼育計画を変更するのは非常に難しい
■動物の命がかかっているので、見つからなくても閉園後も最後まで面倒を見る責任がある
■動物たちが安心して暮らせる環境を作ってほしい
なんとか動物たちが安心して暮らせる環境が整えられることを祈りたいものだ。